虎の子は今日を駆けるII

◯ ページ20

宮近は次々と出てくる見張りを音も立てずに斬り捨てていく。
黒いスーツを身に纏った男たちは歯向かう間も無く地に伏せていった。

誰にも迷惑はかけられない。
怪我をすることも許されない。
そんなスリルが宮近をより一層興奮させた。

宮「おいおいそんなもんかよォ、つまんねぇなぁ！！！」

自分は参加できなかった女王の護衛。
日本刀は古い、とかなんとか言われ、宮近の怒りのボルテージはMaxだ。
見てろ国の奴ら。
日本刀を馬鹿にするな。

ドスッ、

最後に、目の前に現れ銃を構えるボスのような者の心臓に刃を刺せば、あっという間に息絶えた。
刺された時の衝撃で力が入ったのか、銃弾が発射される。
その弾を華麗に弾き飛ばし、宮近は息を吐いた。
刃先から滴る紅い血を軽くはらい、鞘に収める。
その時彼は、背後から忍び寄る本当のボスに気づくことができなかった。

何かがかさり、と音を立てた。
驚いた宮近が再び鞘から刀を取り出したが間に合わない。

パン、

乾いた音が暗い倉庫に響いた。

宮「っ？！」

目の前でヘラヘラと笑うその男を早く地獄に落とさねば。
そう体に言い聞かせるが弾がめり込んだ右腕は使い物にならない。
より一層奇妙な笑みをたたえた男がこちらへ向かってくる。









誰か、

助けて、、、

●→←ななつでひとつ。

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