虎の子は今日を駆けるII

きゅーじつぷりーず！ ページ16

みみ様 リクエスト

深夜2時。
デスクの上に並んだ名簿を川島はすでに50回は見た。
並ぶ「松倉」の字に、深いため息をつく。
昨日、今日と任務に行ったのにも関わらず、上のお偉い方々は明日も向かわせるようにと命じてきたのだ。

女王の護衛、といえば、相当重要な役割である。
なんでも、1週間前に城宛で女王の殺人予告が届いたのだとか。
お陰で虎の子隊の近接メンバーは大忙しである。
例をあげるならばいつもはめんどくさいからという理由でスコープを構える中村までが、拳銃に持ち替えて出動するぐらいの忙しさだ。
そんな中、なぜか毎日出動させられているのが松倉、松田の2人。

上へ抗議のメールを送ったはずなのだが、見事にスルーされていた。
掛け合ってもらえないのでは手も足も出ない。

それに、松田は連日のピリピリした空気に耐えかね、熱を出してしまっているのだ。
これでは松倉が怪我をしたり体調を崩したりしてしまうのも時間の問題だろう。
だからなんとしても、川島は松倉に休みを取らせたかった。

しかし、施設内で今起きているのは川島1人。
松倉本人や、その代わりとなるメンバーの了承が得られなければどうにもできない。

川島は冷めてしまったコーヒーを啜り、眼鏡を外して大きく伸びをした。
時計は間もなく3時を指そうとしている。

川「ふぁ、」

らしくない欠伸も出てしまえば、あとは睡魔に身をまかせるだけである。

真っ白なベッドシーツに皺が寄った。

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