また、愛 ページ24
あ……、思わず返事しちゃった…
YN『A…!』
満面の笑みでぎゅぎゅうに抱きしめられて、ユノも緊張していたのかふーっと長く息を吐き、やりきった後の達成感とか充足感とかがひしひしと腕から伝わってくる。
まりとジフナはおめでとうって言いながら拍手してるし、お世話してくれた女性たちも若干涙目で拍手してるし……
今更、勢いで返事しちゃいましたとはとってもとっても言いづらい。
YN『僕はAと離れてから、とっても苦しくて、辛くて、いなくなりたいって初めて思った。Aの苦しみを知った後は、もう人を愛することをやめようとも思った。でも、無理だった。忘れようと思えば思うほど思い出して、恋しくて、会いたくて会いたくて堪らなくて…。』
そこまで言って彼の腕に力が籠って、僅かに震えているのを感じ取れた。
YN『でも、今のままの僕じゃダメだ、Aを守り抜ける男に変わらなきゃダメなんだって自分に言い聞かせて。出来る事はなんでもやったし、新しい事にも挑戦したし、とにかくもっともっと強くなろうって思ったんだ。
そして自分が納得した時が来たら、Aにもう一度告白しようって決めてた。』
離れたユノがじっと私を見据えて、偽りのない瞳で言う。
勢いで返事をしてしまった手前、いたたまれなくて目を逸らしたいけど出来ない。
YN『僕を受け入れてくれてありがとう。愛してくれてありがとう。幸せになろうね。』
A「あ、うん…。」
まり「ほら!誓いのキスしなさいよ、キス!」
そう囃し立てられてユノが私の左手を取って薬指にそっと指輪を滑らせた。
光り輝く指輪を見て、これは現実で今まさに起こっているんだという実感がじわじわと湧いてきた。
傾けられて近づいてくるユノの顔を見ながらぽつりと呟く。
A「ユノと、結婚…。」
YN「ん?」
A「ずっと、一緒?」
YN「ずっとずーっと、一緒だよ。」
A「また、愛してもいいの?」
YN「うん。たくさん愛してほしいな。僕もたくさんたくさん愛してあげる。」
そう言った彼の笑顔を見た途端、自分の中に押し込めて閉じ込めてきたユノへの想いが一気に解放されて溢れてきた。
もう誰にも止められない勢いで、あまりの想いに身体が潰されそう。
誓いのキスは私から、目いっぱいの愛を込めて。
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ぱる(プロフ) - うみさん» コメありがとうございます☆言葉じゃなく文字で気持ちを表したり伝えたりするのって、難しいなと書いてみて思いました。少しでも、何か残る作品が書けて良かったです!ありがとうございました(^^)また次作でお会いしましょ♪(´ε` ) (2013年8月30日 22時) (レス) id: cbea69b928 (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - izumさん» コメありがとうございます!幸せな気持ちになってもらえるなんて…私の方こそ幸せですT^Tありがとうございます(^^)!辛い事も多いけど、まずは笑おうとユノが言ってるので、私も実践してます。必ず報われる時がくると信じて☆また次作でお会いしましょ〜♪(´ε` ) (2013年8月30日 22時) (レス) id: cbea69b928 (このIDを非表示/違反報告)
うみ - ぱるさん、完結 お疲れ様でした♪本当に素敵なお話しでした!最終話、なんだか心にしみました(*^^*)ありがとうございました☆次の作品も是非、読ませて下さ〜い(^-^)/楽しみにしてます♪ (2013年8月30日 21時) (携帯から) (レス) id: e9b085f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
izum(プロフ) - パルさん。私、今とっても幸せです。人は悲しい事や辛いことがあった分幸せになれるんですよね! 素敵なお話ありがとうございました。次のお話も楽しみにしてます☆ (2013年8月30日 20時) (レス) id: eda0a210ea (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - ふっきーさん» 喜んでもらえて何よりです(o^^o)ユノと結婚の喜びを表現するのがなかなか難しいです。頑張りまぁす( ´ ▽ ` )ノ (2013年8月23日 23時) (レス) id: cbea69b928 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱる | 作成日時:2013年7月17日 23時