優しい涙 ページ2
引っ越し祝いだと、まりが観葉植物を持ってやってきた。
大きな鉢を受け取り部屋に上げると、ソヌ君がいたことに驚いた顔をした。
ソヌ『僕ちょっと出てくるから。ごゆっくり。』
気を使ってくれて部屋を出ていく彼を見送って、コーヒーを淹れにキッチンに向き合う。
まり「どういう事!?なんでソヌ君がいるの!?」
A「うん…。」
まり「まさか、彼と付き合ってるの?」
A「そう、なのかな?」
まり「A…」
A「わかってる、最低な事してるって。でも、誰かに傍にいてほしいの。1人じゃ怖くて、どうにかなりそうで…」
まり「だからって、これじゃあソヌ君の気持ちを利用してるだけじゃない!ユノ君を忘れる為の道具みたいじゃない!」
A「そうだよ!早くユノを忘れたいの!その為にソヌ君を利用して一緒にいるの!」
怒りに任せて声を張り上げているのに、目からは止めどなく涙が溢れる。
見ればまりも泣いていた。
まり「あんたはやっぱりユノ君と一緒にいなきゃダメだよ…。今のA、全然幸せそうに見えない。」
A「もう無理だよ。」
まり「無理じゃない!もっと話し合えば必ず…」
A「無理なの!私…私ね、人を……」
息を呑み固まるまり。
思い出したくもない出来事を話すのは胸が苦しくて、恐怖が蘇り手が震える。
A「ユノには幸せになってほしい。いつまでも笑顔でいてほしいの。」
まり「私はAにも幸せになってほしいよ。」
泣きはらした真っ赤な目で、けど優しさに溢れた笑顔でそう言ってくれた。
まりには嘘をつかせた上に私の秘密を共有させてしまった。
ある意味、共犯者にしたと言っても過言じゃない。
私はいったい、何人の人を不幸に巻き込んでしまうんだろうか。
この先、明るい道を歩ける日は来るのか。
今はただ、暗い暗い闇をぬっていくしかない。
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ぱる(プロフ) - うみさん» コメありがとうございます☆言葉じゃなく文字で気持ちを表したり伝えたりするのって、難しいなと書いてみて思いました。少しでも、何か残る作品が書けて良かったです!ありがとうございました(^^)また次作でお会いしましょ♪(´ε` ) (2013年8月30日 22時) (レス) id: cbea69b928 (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - izumさん» コメありがとうございます!幸せな気持ちになってもらえるなんて…私の方こそ幸せですT^Tありがとうございます(^^)!辛い事も多いけど、まずは笑おうとユノが言ってるので、私も実践してます。必ず報われる時がくると信じて☆また次作でお会いしましょ〜♪(´ε` ) (2013年8月30日 22時) (レス) id: cbea69b928 (このIDを非表示/違反報告)
うみ - ぱるさん、完結 お疲れ様でした♪本当に素敵なお話しでした!最終話、なんだか心にしみました(*^^*)ありがとうございました☆次の作品も是非、読ませて下さ〜い(^-^)/楽しみにしてます♪ (2013年8月30日 21時) (携帯から) (レス) id: e9b085f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
izum(プロフ) - パルさん。私、今とっても幸せです。人は悲しい事や辛いことがあった分幸せになれるんですよね! 素敵なお話ありがとうございました。次のお話も楽しみにしてます☆ (2013年8月30日 20時) (レス) id: eda0a210ea (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - ふっきーさん» 喜んでもらえて何よりです(o^^o)ユノと結婚の喜びを表現するのがなかなか難しいです。頑張りまぁす( ´ ▽ ` )ノ (2013年8月23日 23時) (レス) id: cbea69b928 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱる | 作成日時:2013年7月17日 23時