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聞き耳のその向こうにあるもの ページ36
チャンミンは私の顔をじっと見ているけど
私はチャンミンの目を見られない
私が何も答えないでいるから
それがあと２、３秒続いたら
チャンミンはため息をつくかもしれなかった
そんなタイミングで
テーブルの上の携帯が震え、光った
(ミヨン)
画面に出る、「ミヨン」と言う名前
チャンミンは一瞬間をおき、携帯を手に取る
C「ちょっとごめん」
と言ってリビングを離れ廊下に出た
聞き耳は立ててはいけない
わかってるけど
開けっ放しの扉の向こうから聞こえてしまう
C「んー、明日の夜なら空いてるけど
ん、じゃ、明日。予約入れとくから」
明日、会うんだね
あの後輩ちゃんと…
でもこれも、私がどうこう言えるような立場じゃないから
結局は何も気にならないフリをしないといけない
ふぅ…
ひとつ、ため息をついてソファに深く寄りかかると
後ろから伸びて来た長い腕が
私の首筋を包み、優しい声が耳元で響く
C「やきもち？」
「そっ、そんなんじゃ…」
私はその腕を振り払ってしまう
そこで、一言、「うん」と言ってその腕にしがみつければ…
もっと健気で、可愛い、甘えられる可愛い女だったなら
そんなことを思いつつも
やめてよ、と言い後ろを向くと
チャンミンの唇が近づいて来る
それを、私はまた交わし
「ごめん、もう帰るね」
いろんな感情が渦巻いて
何に対してドキドキしているのか整理がつかない
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作者名：yunomi | 作成日時：2017年6月4日 22時
