あの日とおなじ ページ23
松田さんに言われ、雨の中やってきた場所は空き地
「ここって…、
______っ！」
私の隣にいたコナンくんは知っているみたい
「なぁA、覚えてねーか？ここ」
「…ここ、ですか？」
こっちこいと松田さんに手を引かれ、前の方に連れてこられたが
「……覚えてないです」
すると、松田さんは雨が降っているのにも関わらず、傘を畳んで空き地を見つめたまま呟いた
「佐野一家未解決事件」
「佐野…一家未解決事件？」
「そう、あの日もこんな天気だった」
"……いやだっ、！"
「…え、？」
"佐野"の名を聞いた瞬間、脳内に小さな女の子の泣き叫ぶ声が響く
この声は………………私？
「緒方さん…、大丈夫？傘落としてるし、手、震えてるよ？」
「え、…あ、ありが__」
震える手を抑えながら、コナンくんが拾ってくれた傘に手を伸ばすけど、
"おかあさんっ、おとうさん……っ！！"
「…っ、」
伸ばした手はコナンくんのところまで届かず、だんだん下がっていく
おかしい、力が入らない
"ねぇ、おねえちゃんっ…！"
「…はぁっ、はぁっ、ぅ、あ…っ、」
バクバクなる心臓
激しく酸素を吸い込む肺が痛い
"おねがいだからっ、へんじしてよ…っ！！"
焼けるような熱さを帯びる体
「A！、しっかりしろ」
「…っ、ぃゃ、」
"いやだ…よっ、ねぇ…っ！！"
「私を…1人に、しないで…、！」
「っ、ああ…っ、
いやぁああぁああっ！！！」
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作者名：pino | 作成日時：2023年6月11日 20時
