DNA鑑定薬の色は ページ19
「…入れるよ」
「ああ」
最後にアリスが頷いたタイミングで、ピンセットを使ってDNA鑑定薬に0.5cm程の髪の毛を落とす
「あとは振ればいいんだよね？」
パチンとケースの蓋を閉め、上下にシャカシャカと振るとケースの中の液体が泡立ち、みるみる緋色から次の色へと変わっていく
『私が作った"魔法の薬"で、白が出ればブランディよ_____！』
「白…、だ」
「〜〜っ、よしっ！！！」
「お手柄だ、ボウヤ」
クシャリと頭を撫でる赤井さんに、時間かかっちゃったけど赤井さん、アリスさん、灰原のおかげだよと笑う
「すごい…」
アリス本人は自分がブランディ、そして緒方Aだとまだ自覚はできていないが、オレを見て率直に凄いねと微笑んでくれた
「残るは」
「うん」
記憶だけ
緒方Aの記憶を取り戻す
「今ね、緒方さんと同じように黒づくめの組織に潜入している公安警察の人に連絡を取ろうとしてるんだ。もしかしたら、緒方さんのこと知ってるかもしれないと思って」
「………！ああ、」
「うん、…だけど、まだ連絡が取れていなくて」
早く連絡が取れたらいいんだけど
「そういえばボウヤ、DNA鑑定薬の結果にブランディの色が混ざっているなんてよく思いついたな」
「ううん、思いついたのは僕じゃないよ」
灰原とのやりとりを説明し、
「！、フっ……さすがだボウヤ」
「でしょ」
既に緋色になった部分を"所持品��"と書かれた付箋で隠してあるDNA鑑定薬の写真を見つめ、ニヤリと笑う赤井さん
そして
「！…赤井さん、噂をすればあの人からみたい」
スマホの着信音が室内に鳴り響いた
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作者名：pino | 作成日時：2023年6月11日 20時
