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変わった彼女の存在 ページ16
「……………ん」
カーテンから僅かに差し込む朝日で目が覚め、枕元に置いていた携帯に手を伸ばす
……起きるにはまだ早いな
5月の早朝はまだまだ暗い
やる事なく寝転んだまま顔だけ横にやると、俺の隣で寝る彼女はこちらに背を向けて微かに寝息を立てていた
「…………フっ」
彼女と同じベッドで寝始めたのは、彼女が悪夢を見てそばにいて欲しいと言われたあの日から
ベッドは大きいし、くっつかずとも寝られるということで今では俺のベットで一緒に寝ている
またいつ彼女に求められても、すぐそばにいれるように
今思えば、俺の中で彼女の存在はかなり変わったと思う
最初は組織の情報を得るため、ただそれだけだった
しかし今は、自分を知るために生きようとしている彼女の力になりたいと強く思う
彼女はここに来て笑うようになり、話すようになった
そして時々とても儚い顔を見せる
何が彼女にそのような顔をさせているのかは分からない
彼女から目を離してしまえば、そのままふわっと俺の前から消えてしまいそう_____
「…………ん」
ギシっというベッドと共に、彼女はこちら側に寝返りを打った
短くなった髪が顔にかかったり、手を伸ばしてその髪を耳にかけてやると彼女の口元が少し緩んだ
そして、それを見て同じく口元が緩む自分がいた
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作者名：pino | 作成日時：2023年6月11日 20時
