見つけた広い空き地は ページ15
「わぁー！こっちの方初めてくるね！」
「そうですね！いつも僕たち、これより一つ手前の道を通って博士の家に行きますから！」
「おっ、あそこ広そうだぞ！」
元太が先に走り、残り二人も元太を追って走り出す
「おーい、おめーら転けるなよー！
……ったく、」
「いーんじゃねぇか、ここ！」
「確かに広いですね！昔ここに家が建ってたのでしょうか？」
「うーん……あっ！」
あれを見て！と歩美が電柱を指差す
そこには"関係者以外立ち入り禁止"の文字が書かれた貼り紙と劣化が進んでいる看板が
「残念だけどここは無理だな」
「えぇーっ！せっかく見つけたのによぉ…」
「ああ、ワリィけど他を当たってくれ」
「え___？」
明らかに子供の声ではない声がして一斉に振り向くと、背後には黒いサングラスにスーツ姿の男が立っていた
スーツの襟元に赤いバッジ……刑事か？
「ここは昔、ある事件があった場所で今も捜査が続いてんだよ」
「事件？」
「ああ、ボウズたちは知らねぇと思うけど、今から２０年前に起きた佐野一家未解決事件の現場さ
…火事で全て焼けちまったから今は何も残ってねぇけどな」
「未解決ってことは、まだ解決してないの？」
「もしかして、おじさんが担当しているんですか？」
「おじ…コホン
ああ、だから嬢ちゃんたちはここじゃない違う場所で遊んでくれな？？」
「はーい！」
行こうぜ！という元太の声を合図に再び走り出す歩美と光彦
「あ、……ったく、アイツらはよぉ…」
「置いてかれちゃうわよ、私たちも行きましょう」
「だな……
じゃーね、刑事さん！」
「ああ」
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作者名：pino | 作成日時：2023年6月11日 20時
