私を振って下さい。 (ページ28)

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だって私たちページ28

何も聞けず
ユノの顔も見れず
もちろんあの人の顔なんかもっと見れなかった

「ごめんね、急に来て。それだけ！じゃあね」

そう言って家を飛び出して
ユノは困った顔をしてるかも知れなかったけど
私は振り向けなかった

すっごくドキドキしてるのは
いつもは使わない階段で下まで降りたからだけじゃなくて

…そっか
そうだよね
だって私たち

別になんでも無いもん

この間見てしまった写真の中の女性にそっくりな誰か
結局、その人が誰かは重要じゃなくて

最初から私が入る隙間はなかったのかなって
思い知らされた感じが
結構胸にきてて

今頃部屋でユノはあの人に、
私の事をただの友達の1人だよ
気にしなくても大丈夫だよって

そんなふうに言ってるのかな

もう私の居場所は
無くなってしまったんだなって

そう思うとやっぱり涙がポロポロ出て

いつかは来るかも知れないと思っていたこの日が

想像よりも少し早く来ただけだよって

ユノが幸せならそれで良いって
言ってたじゃん、私