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私の二つ目の初めて ページ8

扉を開けて教室に入ると、窓際にいた彼はこちらに気づきいつものようににこやかなか笑顔で出迎えてくれた







「Aちゃん!夏油さんにチョコは渡せ……Aちゃん…?」

『…やっぱり期待するだけ無駄だったよ、ごめんなさい…せっかく、君が勇気をくれたのに…
私やっぱり…ダメだなぁ…』

「……疲れた…?」

『っ…、そうだね…疲れたかな…』








私がそう言うと彼はそっと私の手首を引いた


きっと前までなら振り払って別れていただろう、でもなんでかなぁ…彼には思わず自分から身を委ねてしまった

すると彼は私を抱え込んだまま、ゆっくり座り込んだ









「なら休もう、いっぱい休もう」

『……どうやって…』

「僕は本物にはなれないしあくまで代わり、だからAちゃんの心と体が休まるまで…好きに使って?
傍にいさせてよ」

『っなんでそんな…私に優しくするの…?君がどれだけ私に優しくしてくれても、
私は君のことを好きになれないんだよ!?なのにっ…なんで……くっ…うぅ…!』





「僕は、Aちゃんに好きになって欲しくてAちゃんが好きなわけじゃないよ」








思わず顔を上げると、私の涙を親指でそっと拭ってくれた

そしていつもとは少し違う、少し寂しそうな微笑みを彼は見せた








「そりゃあ両想いが一番嬉しいのは違いないよ?でも…僕にとって君は何よりもかけがえのない人だから
僕が優しくすることで、僕がAちゃんを好きでいることで…Aちゃんが笑っていられるなら

僕はそれが一番だから!だからAちゃんも、僕のこと好きにならないでいいよ」

『っう…!なに…それっ…意味わかんないぃ…!』








本当に気持ち悪いくらい良い人で、常に意味分かんなくて

でも、また初めて…私を抱きしめてくれた相手…








「僕はAちゃんに笑ってて欲しいんだ、だからもう泣かないで…?
でも…今たくさん泣いて後でたくさん笑えるようになるなら…やっぱりいっぱい泣いていいよ」




『…ふ…何それ、ばーか』

「えへへ…うん、やっぱりAちゃんは笑ってるのがいちばん可愛い!」

『泣き顔はブスでごめんなさいねー』

「えぇぇ!?そ、そういう意味じゃなくて…!!」

『ふっあははっ、あはははっ!』









これが、彼と私との最後の時間だった。

優しすぎる君に幸あれ→←期待なんてするものじゃない



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ゆめの(プロフ) - ゆずなさん» 嬉しすぎるお言葉…!!ありがとうございます!! (2月15日 19時) (レス) id: bc2917c11b (このIDを非表示/違反報告)
ゆずな - 神作の領域を遥かに超えている (1月24日 21時) (レス) @page9 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆめの | 作成日時:2023年12月23日 18時

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