彼氏のママみがヤバすぎて赤ちゃん返りしてる《3年生編》【夏油傑】 (ページ7)

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期待なんてするものじゃないページ7

クリスマスも正月も過ぎ、2月の半ば…世間ではそろそろバレンタインだなんだと騒がれている

本当に冬場はイベント事が耐えないな…幼い時はよく傑とチョコを交換していたけど、
今何となく渡しずらくてここ数年渡せていない

それに今年は彼もいる…ならあげるなら彼にだろう、そう思っていたら…まさかの返答が彼から来た

｢僕は代わりだよ？今年こそ夏油さんに渡さないとAちゃん、きっとこの先ずっと渡せなくなっちゃう…

だから僕にあげるならそのチョコを夏油さんに渡して！それで二人がもう一度仲良くなれるなら
僕は嬉しい限りだよ！｣

……彼はもはや、優しいとかお人好しの域を超えた新手のバカなんじゃないかと私は思った

でも、不思議とこう背中を押されると勇気は出てくるものだな…クズな私は彼の言葉に甘えて
今年は傑に作ってみようと思った

……少しの期待を、胸に抱きながら。

────そして、バレンタイン当日

流石に堂々と渡す訳にもいかないので放課後まで隠して、久しぶりに胸を高鳴らせながら傑の元へ向かう

ラッピングも味も問題なし…確認を済ませて傑を探すもなかなか見つからない
すると傑の話し声が聞こえた気がしたのでその方向へ行ってみた

ただそこには、私が受け止めきれないような…だけどある意味想定内な光景があった

でも……やっぱり、期待なんてしなきゃ良かった

誰もいない夕日が差し込む廊下で、傑とこの間見た人とは別の女の人がチョコを食べながらキスをしていた

｢ねぇ誰か来ちゃうってぇ～｣

傑｢そういうのも興奮するくせに｣

｢そういうこと言わないでよぉ～｣

ガサッッ

あ、思わず落としてしまった

『あ…えっと…』

傑｢っ！A…！？｣

｢あれぇAさん？あーもしかして傑にチョコ渡しに来たんじゃなーい？あははっ健気でかわいい～｣

『ご、ごめんなさーい！いいところお邪魔しちゃったみたいで…！それじゃあ私はこれで！
傑も彼女さんの為にも場所考えてあげるんだよ～？！じゃあね！』

傑｢あっ待ってA！！………あークッソ…！｣

急いで落とした袋を拾って行くあてもなく走り去る

こんな惨めに泣く姿は、傑にだけは見せたくなかったから

誰もいないはずの自分のクラスの教室の近くにつくと、ドアの隙間から一人…彼がいるのが見えた

そして私は、教室の扉を開ける