彼氏のママみがヤバすぎて赤ちゃん返りしてる《3年生編》【夏油傑】 (ページ6)

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なんで私なんかを君はページ6

12月25日、周りは完全にクリスマスムード…街並みは無駄に装飾が増えここぞとばかりに
ケーキの宣伝をしているサンタが彷徨いている

最初は傑に声をかけようと思った、でも…ちょうど話しかけようとした時、
彼女さんと仲良く話していたところだったからとても声なんてかけられなかった

だからただ私のクソしょうもない寂しさと嫉妬心を埋めるためだけに彼は呼ばれた

我ながら本当にクズだと思う、人の好意を都合よく使うなんて…

それでも彼は変わらず、とても嬉しそうな顔をしていた

私の胸の中には罪悪感と、ほんの少しの優越感があった

｢まさか誘ってくれるなんて思ってもなかったよ～！嬉しいなぁ…｣

『…そんなに嬉しいものなの？誰かの代わりかもしれないのに』

｢代わりでもなんでもいいんだよ！僕を必要としてくれた、その事実は変わらないんだから
だからその分、今日は精一杯応えるから期待してね！｣

『……期待ね…』

期待はすればするほど辛くなる、だから期待なんてしないようにしてきた

今までの人にも、彼にも、傑にも…そして自分にも

でもその後も彼は私を楽しませようと色んなところへ連れ回してくれた、美味しいご飯屋さんや
写真映えのするところ、そして綺麗な雑貨屋さん…そこで見つけた花のようなブローチ

それが目に止まっていると気づくのが早い彼は、早速会計に持って行ってしまった

クリスマスプレゼントだと言ってお金は払わせてくれなかった、本当になんで彼は…
私なんかと付き合っているんだろう…

私以外の誰かなら、もっと君は幸せになれたのに…

あっという間に辺りは暗くなり夜空にイルミネーションが星のように輝く

街を歩く人達も恋人が沢山だった…

流石にここまでしてくれているのに何も返していないのは罪悪感がある
何かないかと辺りを見回すもなかなか見つからず…そう思っていると、ふと恋人達の手元に目がいった

……本当は傑と初めてしようと思ってたけど、今はもう…いいかな

手袋をしている彼の手に、すっと自分の手を絡める

驚きのあまりか彼は足を止めてしまった

｢えっ…あ、い…いいの…？僕なんかとしちゃって…｣

『…クリスマスプレゼント、こんなのでお返しになるとは思ってないけど…私の初めての1つ、あげる』

｢っ～これ以上ないクリスマスプレゼントだよ！｣

本当に、なんで私なんか好きになったんだろ

この人。