【SLAM DUNK】メープル 2

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恥とプライドを捨てた変顔だったというのに全く効果がなかったことに、花道が顔を赤くして肩を震わせながら帰ってきた。





赤木にも「どこまでバカなんだオマエは」と呆れられる始末。





そこからまた、フリースローを決めた流川がノリに乗った快進撃。



赤木のレイアップシュートを叩き落とし、そのまま素早いドリブルで次々と選手を躱して、マークを潜り抜けていく。




大きく踏み込んで、振りかぶった先。






片手に掴まれたボールは、リングの真ん中に叩きつけられてネットを抜けた。







ボールが床に跳ね返る音と、流川が着地する音。部員もマネージャーも、監督でさえも言葉を発さずにただ流川を見つめていた。









「(本物だ…!!流川楓…!!奴は紛れもなく本物!!)」









それはほんの数秒の間だったが、流川のプレイに目を奪われていた自分に、桜木は気づいていた。








「(ちくしょう、ちくしょう…ルカワめ…)」






『きゃー!るかちゃんカッコいー!!』







流川への嫉妬やら怒りやらを募らせながら、花道はハッとAを振り向く。





手を上げて嬉しそうに流川を応援するA。そしてその向こうでは、目をとろりとハートしている晴子。








「ああ、イヤな予感はこれだったのかーーっ!!」




「お…落ち着きなさい桜木花道!!」








頭を抱えて喚く花道。




ここにいる3人の女子の少なくとも2人が流川のプレイに魅入ってしまっているのだから仕方ない。







「Aさん〜〜!!」


『うお、うわわわわ』






花道に両肩を掴まれて目を覚まさせるように揺らされて、Aの全身がぐわんぐわんと揺れる。




そんな揺らさなくてもいいじゃないかと言うほどの揺れに酔いそうになっていると、Aの肩を掴んでいた花道の腕が、更に上から掴まれた。







「触んな」



「…!!何だとルカワーー!!だいたいオメーのせいで…!!Aさん目を覚ましてください!!こんなキツネ野郎なんぞ…!!」


『あばばばば』


「離せ、折れる」


『さすがに折れないけど酔う、酔っちゃう』












試合中だったはずが混沌としてしまった雰囲気にの元凶花道に、赤木の拳骨が下った。




頭にたんこぶをくっつけながら同じ一年生に「コラおまえもう疲れただろ。俺と替われよ」と脅す花道。






しまいには「出してくれ〜〜ゴリ〜〜オレも出してくれ〜!!」と赤木に泣き付く花道。











「安西先生…あの男なんですが──」

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