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あの子になりたい。
そう言って、その子はそのまましゃがみ込んで、両膝に顔を埋めた。
なんていってあげたらいいのか、美和には分からなかった。
Aのことが好きな私が、今ここでこの子の背中をさすってあげるのは違う気がした。
Aにはなれない。彼女は私の特別な人だから。
涙を流してうずくまるこの子を見ても、内心そんなことを考えている私にこの子の背中をさすることはできない。
「大丈夫だよ」と声をかけようとしても、なぜか喉から言葉が出てこなかった。
「……流川は、確かにAのことが好きだよ」
「…」
「多分、本当に大好きなんだと思う」
「……そうですよね」
そう、それでAも流川のことが好き。それだけの話だ。
私の入る隙間はどこにもないし、私が入ることによって二人の何かが崩れてしまうなら、そこまですることは望まない。
ただ一つ、この子の誤解は解いておきたい。
「…でも、流川がAのこと好きなのは、みんなが言う"可愛い"部分とは違うんじゃないかな」
「……」
Aが、それだけの人だと思われるのが嫌だった。
そしてきっと流川は、Aのことを私よりも知ってるはずだ。死ぬほど悔しいけど。
流川がAのことが好きなのは、ただ可愛いからじゃない。
それは私も一緒だ。
「──あんなに綺麗な人、私は他に見たことない」
「…そうですよね、赤嶺さんは本当に、」
「そうじゃなくて…えっと、いや勿論容姿も、確かに綺麗だけど」
言いたいことを言える度胸と、その場を和ませる気遣い。底抜けに明るい笑顔も全部。
「素直で、太陽みたいな人なんだよ。私には眩し過ぎて、今はこれ以上近づけないけど…」
今は、なんて。
これからも、今以上に近づけるなんて思ってないのに。
「……大好きなんですね、赤嶺さんのこと」
「…そうみたい」
叶わない想いをここまで拗らせて、流川楓にまで嫉妬して。
それなのに本当に彼女が私のことだけ見てくれるようになるような努力なんてできずに。
あの子は私には眩しすぎるとひたすらに逃げて、自分の想いにすら素直になれない。
「だからアンタより、私のほうがよっぽど馬鹿だよ」
それでもかなわない想いを拗らせるのだって、そんなに悪くないと思うのだ。
✳︎
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Uo(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます❕お褒めの言葉本当に嬉しいです😖ご期待に応えられるよう頑張ります!! (7月29日 20時) (
レス) id: a616e905ad (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 絵うますぎませんか？ え、うま ビビるほど上手い 尊敬します！！ お話もとっても面白いです！応援してます！ (6月22日 14時) (レス) @page5 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 生粋のまよらーさん» ありがとうございます❕たくさんのご感想に、私も日々活力を頂いています!!気長にお付き合い頂けると幸いです…!! (5月29日 2時) (レス) id: 05f236e790 (このIDを非表示/違反報告)
生粋のまよらー(プロフ) - メープル3続編おめでとうございます！！これからも主様の投稿を心待ちに日々過ごして参ります！！！続編でもコメントします！ (5月28日 20時) (レス) @page49 id: 3e4069aada (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 生粋のまよらーさん» コメント、ありがとうございます❕仙道はのらりくらりという感じで掴みづらいキャラなので上手く表現できるか不安ですが、精一杯頑張ります!!温かいコメント、いつも本当にありがとうございます。とても嬉しいです😖 (5月28日 0時) (レス) id: 05f236e790 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Uo | 作成日時：2023年4月23日 1時
