【SLAM DUNK】メープル 2

・ ページ23

「アンタには赤木先輩達も大いに期待してるからね!!頑張ってね!!」






「変わらずAちゃんもいることだし!」と流川の肩を叩いた彩子。


ニヤニヤとした視線をAと流川交互に送る先輩に、流川が若干嫌そうに眉を寄せた。








「その様子じゃ、なーんにも進展してないな？図々しいんだか奥手なんだかハッキリしなさいよ」



「…シンテンしてる」






む、として言い返した流川に、彩子が言ってみなさいとばかりに片眉を上げる。







「毎日一緒に学校来てる」



「大して中学と変わってないでしょーが」







結局彩子に正論を言われて黙り込む流川。




「何の話だ、おいルカワ誰と一緒に学校来てるっていいやがった？!」と荒れ狂う花道に、Aがニッコリと笑いかける。






『今度一緒に登校しようね!』






面白そうだから。という言葉を抜かした結果がこれだ。







「は？」



「な、…Aさん…？!？!い、イインデスカ？!そんな、」



「いいわけねーだろ」







こめかみをピクつかせる流川と花道、入部初日からオマエら喧嘩すんな!と同級生に止められる始末。





「とにかく、アンタには赤木剛憲達も即戦力として大いに期待してるんだからね!」と流川の肩を叩いた彩子に、赤木が「余計なことを言うな」と釘を刺す。







大いに期待してる、なんて言われたら人によっては緊張してしまいそうなものだが、流川楓の辞書に緊張などという言葉は無い。




逆に期待されていても大してモチベーションが変わっていないことの方が問題である。








「今のウソウソ!図にのらないよーにな!!」


『くれぐれも調子にのらないよーにな!』


「のってねーよ」








彩子から肩を叩かれAから悪ふざけを受けても、相変わらず無表情の流川。





そして横にいた花道を見て、彩子が勢いよく吹き出す。








「見てたわよこの前の勝負!」と笑いながら、思い浮かべるのは花道のダンクではなく赤木先輩のお尻である。







「よーし、練習を始める前に…まず最初にはっきり言っとくことがある」










赤木が次の言葉に力を込める為、息を吸い込む。









「──今年の目標は全国制覇だ!!!厳しい練習になることは覚悟しとけ!!いいな!!!」








騒つく新入部員達。





キャプテンのその大きな目標に、当然でしょう、と頷いたのは四人。





彩子、A、花道、そして流川。









Aはその雰囲気に、楽しげに目を細めた。

基本が大事→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す