骨まで愛して ページ33
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2018年10月31日。水曜日。
渋谷に帳が下ろされ、東京の呪術師に動員命令がかかるまで、およそ数時間。
『大丈夫だから』
いつもより数段も覇気のない声で大丈夫と繰り返す幼馴染に、伏黒は眉を寄せた。
平日の今日、授業と任務に赴いた教員、生徒達に届いた急報。
"19:00。東急百貨店、東急東横店を中心に、半径およそ400mの帳が下された。"
ハロウィンの渋谷という千客万来の場所で下ろされた正体不明の帳に、同刻、術師が召集された。
勿論二級術師の資格を持つAと伏黒も渋谷に向かうことになり、高専の教室を出て自室で準備を終えた時だった。
今にも泣き出しそうなAの手を掴んで「具合が悪いならここに残れ」と言うと、Aが手を振り解いて言ったのだ。
『大丈夫だから。心配しないで』
「何でだよ、心配くらいさせてくれ」
その言葉に、Aがまた唇を噛み締める。
彼女がどうしてこんなに思い詰めているのか、伏黒には分からなかった。
しかし少し前、思い返せば内通者の件で京都の高専に行った辺りから様子がおかしかった。
その時から気になってはいたが、「大丈夫か」と聞けば、彼女は必ず『大丈夫』と言って笑うから、それ以上深く聞くことができずにいたのだ。
『心配だけで終わってないじゃん。恵は色々犠牲にしすぎなんだよ』
Aが俯いて、小さな声で言った。
小さな声は怒気を含んでいて、それが尚更、伏黒にはわからない。
「何の話だ」
『いつもだよ。恵はいつも犠牲になってる』
「別にそんなことねぇだろ」
『あるよ。今だってすぐ任務に行きたいのに、私に付き合ってるじゃん』
「……A、まさか俺が無理してオマエの側にいると思ってんのか？」
俯いた彼女が、更に下を向く。垂れた髪で表情が見えない。
ただ白い、呪いと戦うにはあまりに小さい両手は震えて、強く握りしめられていた。
『そういうの、やめてって言ってるの。同情なんてされたくない』
「は？…同情？」
彼女には使わないように気を付けていた「は？」という言葉も気づけば口から出ていた。
そのくらい、今の彼女の言葉は伏黒にとってあまりにもショックなものだった。
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hn(プロフ) - 占いツクールの中でいちばんお気に入りの作品です。毎日読み返しています(笑) 無理なさらずに主様のペースで更新頑張って下さい、応援しています！大好きです！！ (12月1日 14時) (
レス) id: de7f57f322 (このIDを非表示/違反報告)
るる - いつも読ませてもらってます！今ユニバとコラボでハリドリとかあるんですけ、ユニバに行く1年ズと五条先生と夢主ちゃんでなんか書いて欲しい。お願いします！リクエストです。 (10月22日 16時) (レス) id: ce86603420 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - kittoN0さん» コメントありがとうございます❕長らく返信せずに申し訳ありません。更新が無い間なのにコメントを残して下さり、数々のお褒めの言葉、お気遣い凄く嬉しいです。ご期待に沿えるような作品になるようとにかく地味に進めますので、どうぞよろしくお願い致します…!! (10月22日 1時) (レス) id: 64806ac4ef (このIDを非表示/違反報告)
kittoN0(プロフ) - こんなに綺麗で、儚くて、そんな作品は初めて出会いました。もうこのサイトにきてから10年ほど経ちますが、原作のあるお話とはいえ、あなたの言葉遣いや表現の描写がとても美しくて感動しました。またお時間があるときにでも更新してくださいね。 (9月21日 8時) (レス) @page23 id: c5fc518b9f (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - あんずまめさん» コメントありがとうございます❕アニメの渋谷事変が始まったら、また地道に進めようと思っています!気長にお付き合い頂けますと幸いです😖 (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま | 作成日時：2022年10月23日 0時
