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『あ、男の子ですよ』と付け足した彼女が、ゆっくりと始めた話。
まだ小さい頃、大きな桜の木を見て本当に綺麗だと感動した。
だけど桜は、雨が降ったら散ってしまうらしい。
"「A。桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿──って言葉があるだろ。梅と違って桜は他の木に比べて傷口が塞がりにくいから菌に侵されやすいんだ」"
"「綺麗なのに枯れたら勿体ねぇ。それに、こうやって見上げてるだけでも十分綺麗だろ」"
『すごく綺麗だったから私は桜を摘んで近くで見せてあげたかったけど、恵がそう言ったんです』
枯れてしまったら悲しいからと摘んでしまうのは、余計桜が枯れるのを早めてしまうのだと言って、恵はずっと一緒に桜を見上げていてくれた。
そう言って、懐かしむように話す彼女の声は、透き通っていて優しかった。
『何でも知ってる人なんです。桜の木にも優しい人なんです』
『強くて、賢くて、本当に──とっても優しい人なんですよ』
「そうですか。…では、今度の合同任務を楽しみにしていますね」
『はい!お楽しみに!』
そんなことを言って、彼女はまた笑った。
その日の任務は、いつもよりどこか清々しくて、これもきっと彼女の持つ性質のおかげだと思う。
✳︎
「こんにちは、伏黒君」
「…七海さん、ですよね？よろしくお願いします」
あれから数日。
今度の合同任務は噂をすればの伏黒恵君。
あのAさんと同級生。それだけでなく、随分昔からの知人だそうだ。
幼馴染だとは聞いていたけど、あまりにも彼女との共通点が少ない伏黒君との初対面は驚かされた。
弾けるような彼女とはほとんど真逆の、落ち着き払った自己紹介に七海は密かに肩透かしを食らったようだった。
「今年も桜が満開になりましたね」
「？あぁ、そうですね。…あの七海さん、今日の呪霊の想定される等級の件なんですけど──」
彼女と任務に向かう時のように、車窓から桜並木を見ながら何となくそう声をかけると、
彼は一瞬鮮やかなピンク色に目を向けて、少しだけ眺めた後、すぐに手元の資料に目線を戻した。
その後の彼との任務もスムーズに進んで、想定より早く高専に戻る車内で、七海と伏黒は必要以上に会話はせずにいた。
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hn(プロフ) - 占いツクールの中でいちばんお気に入りの作品です。毎日読み返しています(笑) 無理なさらずに主様のペースで更新頑張って下さい、応援しています！大好きです！！ (12月1日 14時) (
レス) id: de7f57f322 (このIDを非表示/違反報告)
るる - いつも読ませてもらってます！今ユニバとコラボでハリドリとかあるんですけ、ユニバに行く1年ズと五条先生と夢主ちゃんでなんか書いて欲しい。お願いします！リクエストです。 (10月22日 16時) (レス) id: ce86603420 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - kittoN0さん» コメントありがとうございます❕長らく返信せずに申し訳ありません。更新が無い間なのにコメントを残して下さり、数々のお褒めの言葉、お気遣い凄く嬉しいです。ご期待に沿えるような作品になるようとにかく地味に進めますので、どうぞよろしくお願い致します…!! (10月22日 1時) (レス) id: 64806ac4ef (このIDを非表示/違反報告)
kittoN0(プロフ) - こんなに綺麗で、儚くて、そんな作品は初めて出会いました。もうこのサイトにきてから10年ほど経ちますが、原作のあるお話とはいえ、あなたの言葉遣いや表現の描写がとても美しくて感動しました。またお時間があるときにでも更新してくださいね。 (9月21日 8時) (レス) @page23 id: c5fc518b9f (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - あんずまめさん» コメントありがとうございます❕アニメの渋谷事変が始まったら、また地道に進めようと思っています!気長にお付き合い頂けますと幸いです😖 (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま | 作成日時：2022年10月23日 0時
