片翼でも飛べる鳥 ページ18
✳︎
「……久我さん。人の眼鏡の反射で前髪を整えるのはやめてください」
『なんてこった!七海さんの目がお綺麗だからつい!』
「理由になってません」
出戻ってから、初の合同任務の相手は高専の一年生だった。
まだ入学したばかりの初々しい彼女の名前は──久我A。
名前だけで分かる。術師の名家。
初々しいとは程遠い、術師歴で言ったら七海と同じくらいだろう。
だと言うのに、いつまでも感じさせる精彩さや初々しさは若さゆえか、それとも彼女の持った才能か。
『うわぁ…!!七海さん、みて!』
任務に向かう途中の車内で、車窓から見えた並ぶピンク色。
入学してまだ数回目の任務だろうに、緊張を感じさせないその雰囲気はやっぱり場慣れしているからだろう。
まだ小さい頃から何度も任務に出向いたに違いない。
彼女が見つめる先。
鮮やかなピンク色は、彼女の髪の色に似ている。
大きく力強く、可憐に咲く桜の木に、彼女はうっとりと見入っていた。
「綺麗ですね」
『綺麗ですね!』
オウムのように返ってきた言葉。
容姿だけで言ったら連想するのはあのろくでもない先輩、というか上司だが、この子は五条さんとは似ても似つかないほど素直だ。
そもそも、あの人に桜に見入るような常識的な感性があると思えないし、自然や植物にいちいち感動するとも思えない。
「(…会ってない時にまで五条さんのことを考えるのはやめよう。私の胃に良くない)」
『あ、七海さんの目もお綺麗ですよ!桜にも負けず劣らず!』
「競っていませんが、ありがとうございます」
『サングラス越しでも綺麗だから、きっと外したらとんでもないことになっちゃいますね』
「(とんでもないこと…？)」という疑問を飲み込んで、隣の座席でニコニコと座っている彼女に目を向ける。
「目が綺麗だと言われたのは初めてです」
『え、マジですか？じゃあ私だけが七海さんの綺麗な目に気づいたってことですね!やったー!』
喜ぶAに、顔には出さず戸惑う七海。
素直すぎてよく分からない。
まるでかつての同級生のような気がして、振り払うように目を閉じた。
「…別に嬉しがることでもないでしょう」
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hn(プロフ) - 占いツクールの中でいちばんお気に入りの作品です。毎日読み返しています(笑) 無理なさらずに主様のペースで更新頑張って下さい、応援しています！大好きです！！ (12月1日 14時) (
レス) id: de7f57f322 (このIDを非表示/違反報告)
るる - いつも読ませてもらってます！今ユニバとコラボでハリドリとかあるんですけ、ユニバに行く1年ズと五条先生と夢主ちゃんでなんか書いて欲しい。お願いします！リクエストです。 (10月22日 16時) (レス) id: ce86603420 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - kittoN0さん» コメントありがとうございます❕長らく返信せずに申し訳ありません。更新が無い間なのにコメントを残して下さり、数々のお褒めの言葉、お気遣い凄く嬉しいです。ご期待に沿えるような作品になるようとにかく地味に進めますので、どうぞよろしくお願い致します…!! (10月22日 1時) (レス) id: 64806ac4ef (このIDを非表示/違反報告)
kittoN0(プロフ) - こんなに綺麗で、儚くて、そんな作品は初めて出会いました。もうこのサイトにきてから10年ほど経ちますが、原作のあるお話とはいえ、あなたの言葉遣いや表現の描写がとても美しくて感動しました。またお時間があるときにでも更新してくださいね。 (9月21日 8時) (レス) @page23 id: c5fc518b9f (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - あんずまめさん» コメントありがとうございます❕アニメの渋谷事変が始まったら、また地道に進めようと思っています!気長にお付き合い頂けますと幸いです😖 (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま | 作成日時：2022年10月23日 0時
