赤葦さん家は今日もほのぼの。その2

4*パタニティーブルー* ページ4

「マタニティーブルーのパパバージョンをパタニティーブルーって言うそうですよ」

「鳥みたいだな」

「木兎さん、鳥頭だからぴったりですね」

「赤葦！」

「ぼくととりさーん！」

そういえばそんなのがあるときいたことがあり、スマホで調べてみた。
木兎さん、当てはまりそうな、当てはまらなさそうな…

「京治はなかったよね？」

「んー。情緒不安定にはならなかったけど、人生の中で役割が変わるってことに少し不安はあった」

「あー！それな！それは結婚の時にも思ったし、選手としてもそれだ。なんだ、俺、常にブルーじゃん！」

「そうですね。すぐしょぼくれるから」

「赤葦！」

京治とじゃれあい、木兎さんは烏龍茶を飲む。お酒をすすめてみたけど、夏海さんに悪いからと飲まなかった。

「俺さ、現役引退しようと思って。今年の春から考えてたんだよ。9月に妊娠がわかって。結構、人生の中の岐路っつーかさ。ビッグイベントの連続みたいだよなー。」

「……変化の連続じゃないですか。耐えられるんですか？」

「耐えなきゃならんよなぁ。まぁ、後輩の指導も嫌いじゃないし。すぐってわけじゃないし。準備期間な感じ。」

木兎さんはころころと空気が変わる。ふざけてるのかと思えば、すっと真面目になったり、熱くなったり。そこは変わらないんだなぁ。

「夏海さんも同じですよ。夏海さんもお母さんになる準備期間中です。一緒に支えあって、赤ちゃんを迎えてあげてください。夏海さん、今は余裕ないかもしれないですけど、これから安定期に入るし、何かあればいつでもうちに来てくださいって伝えてください。もちろん、木兎さんも！」

「Aが母ちゃんの貫禄………」

「一応、6年目ですからねっ」

「女ってつぇえなぁ…負けてらんねぇなぁ」

「いつでも話はききますよ。子持ちの先輩なんで。」

「なんだよ赤葦〜あ、俺らパパ友じゃーん。Aとかおりと雪絵はママ友会ってのしてんだろ？今度、パパ友会しよーな！」

「おれもいきたい！」

「パパ限定だからだめー！」

「えー！けちー！」


* *

「じゃあ、今日はありがとな。話きいてもらってスッキリしたわ」

「駅まで送りますよ」

「いいよ。駅まで走ってくから！はやく家に帰らにゃあ」

「気をつけてくださいね」

「「ぼくとまたね！」」

「じゃあなー！」



「……相変わらず、切り替わるとはやいな」

「木兎さんって感じ！」


* * *
MEMO

赤葦家がブルー相談所のよう←

2017・9・28

5*クリスマスの朝*→←3*ブルー*

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