赤葦さん家は今日もほのぼの。その2

28*菜の花。たんぽぽ。春の散歩* ページ28

「今日、体調はどう？」

「ん？いいよ」

「じゃあ、散歩でも行く？」

「行く！」

昨日から、将太と香菜はおじいちゃんおばあちゃんの家にお泊まりをしている。
久しぶりに京治と二人でお出かけだ。
お腹の子も入れると4人か。
あ、そうそう。お腹の子は双子ちゃんだったんです。そのお話はまた。


サンドイッチをつくって、水筒も持って、準備できた。まったりとした午前中。いいなぁ。

「準備できたよ」

「じゃ、行こっか」

「うん！」

ポカポカと春の陽気が気持ちいい。
幸いにも花粉症の人が我が家にはいないので春を楽しめている。

「春は京治の季節だね」

「なんで？」

「菜の花のからし和え」

「あぁー」

「あ、菜の花。きれい」

かおりさんにも雪絵さんにもいずみさんにも「老夫婦みたい」って言われる。おじいちゃん、おばあちゃんになってもこうしていたいな。これがいいな。

少し歩いて、河川敷でサンドイッチを食べた。

「今日のたまごサンド分厚いね」

「なんかね！なんかね！メレンゲつくってから卵焼きにするとふわっふわになるの！モンサンミッシェルオムレツっていうんだって！それをサンドしてみました！」

「あ、ほんとだ。ふわふわ。うまい」

「よかったー」

河川敷に寝転がったり、
夕食とおつまみは何をつくろうかって話したり、"来週は春の職場体験だ！"と木兎さんから連絡が来たという話をしたり、ゆったりと時間が流れた。

「あげる」

「え？」

突然、左手をとられた。
薬指の指輪の上にたんぽぽでつくった指輪をはめてくれた。思わず笑ってしまった。

「……なに」

「可愛いなぁーって思って！」

顔が真っ赤です京治さん。

「ありがとう！」

「どういたしまして」


* * *
2018・4・15

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