赤葦さん家は今日もほのぼの。その2

3*ブルー* ページ3

夕食の支度をしていると、

鍵の音と、
ものすごい足音がきこえてきた。

「わー……きた……」

「しょうたー！かなー！」
「木兎さん、廊下は歩いてください。ダイブしないでください。香菜にちゅーしないでください。」

もはやパターン化してるこの光景。

「「ぼくとだー！」」

今日、木兎さんが来ることを子どもたちには内緒にしておいた。サプライズ成功のようである。

「子どもが3人……」

「確かに」

お父さんは呆れながら着替えにむかった。
木兎さんが子どもたちと遊んでくれている？遊んでいる？間に夕食を食べる支度をすすめる。
お客さんが来るということで今日はちょっと豪華。

「ご飯できたよ。将太、香菜、手洗っておいで」

「「はーい！」」

「すっかり2児の母だな。あ、3人目おめでとさん」

「ありがとうございます」

「俺もさー、6月には父親になるんだよ。」

「ええー！おめでとうございます！！」

「マタニティブルーでさぁ」

「6月ってことは、今、4ヶ月くらい？夏海さん大変なんですか？つわりとか…」

「俺が」

「え？」

「俺がマタニティブルー」

「えっと……」

「つわりとかしんどそうな時とかどうしていいかわからなくてあわあわしてるんだって。」

着替えが終わってお父さんが出てきた。
帰り道に話をきいたらしい。

「とりあえず、ご飯食べましょ。」

いつもよりちょっと豪華な夕食に、大好きな木兎さんがいて子どもたちはとても嬉しそうだ。
木兎さんはテンションやや落ちながらもよく食べている。

「身体しんどいのかなーって思って家事やったら皿わっちゃうし、汚れとれてない！って怒られるし、掃除も雑だって怒られるし、しんどそうな時に"大丈夫か大丈夫か"って声かけても"静かにしてほしい"って言うし、なんかもう辛い」

「あぁー……わからなくもない」

「え！俺、掃除雑？」

「いやいや、京治は家事に関しては何も言うことないんだけど、あんまりおろおろされてもって感じ。将太の時は、京治もそうでしたよ。香菜の時はお互いだいぶ慣れたというか、やっぱ経験って大事ですね」

「赤葦の様子見に来ればよかったー！」

「やめてください」

「まぁ、静かに背中さすってくれたり、どっしり構えててほしい。それで安心。夏海さんも不安だと思うし、いっぱい話きいてあげてください。っていうか、今日連れて来ればよかったのに」

「今度はうち来てくれよー！」

「「ぼくとのいえいくー！」」

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