赤葦さん家は今日もほのぼの。その2 (ページ18)

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18好きだからページ18

「あ、茉那ちゃん」

「こんにちは、Aさん、いずみさん」

茉那ちゃんはアイスティーを飲みながら席にやってくる。
"座ってから飲みなさい！"というみちるさんを"はいはい"ってあしらっていた。

「研磨さんのアップルパイもうすぐきますよ」

「俺のパフェは？」

「あ、ちょっとわかんないです」

「おまえ、俺の扱い雑すぎ」

「そんなことないです」

「この子、気を許せる人の扱いが雑になるのよー。ごめんなさいね。こう見えてコーチのこと大好きなのよね」

アップルパイとパフェを運んできたみちるさんがそう言うと茉那ちゃんはむきになる。
黒尾さんが"そうなの？！そうなの？！"ってからかうから、茉那ちゃんは更にむきになった。

「ちがうから！好きとかそういうんじゃなくて、信頼してるだけだから！」

そう言って、ぷんぷん部屋へ戻ってしまった。

「信頼してるだって。最高じゃん、コーチ」

いずみさんがにやにやと黒尾さんを見る。
照れた？なんともいえない表情で注目の的の人は孤爪くんのアップルパイを一口奪った。

「うまい！」

「もうクロと口きかない。手伝わない。」

「なんだよ！一口くらいで！」

「食べ物の恨みは恐ろしい」

「パフェ一口やるから」

「もらう」

好きだから、雑になる。

好きだから、喧嘩もできる。

喧嘩したら、仲直り。

いろんなことを考えていたらため息が出た。

「どうしたの？」

「なんか、最近、かりかりしちゃって。将太、小学校上がるし、いろんな事が気になって口だしちゃうの。あの子なりに頑張ってることもあるのに、それを見てなかったなーって反省。余裕持たなくちゃね」

「なんか、そういうことの繰り返しだよね。」

「でも、ババアは傷つくわー」

「ほんとそれ！親の心子知らず！」

家に帰りたくなったなーと思ったらバタン！と勢いよくホアカのドアがあいた。

* * *

MEMO

ホアカのつくりはワンダーランドみたくしたくって、お店の中からも外からも茉那ちゃんたちの自宅に通じてるみたいな遊び心溢れる場所にしたい。

2018・1・25