赤葦さん家は今日もほのぼの。

８*けんとくん* ページ8

「今日さー。ホールでボールあそびだったからトスのれんしゅーもしたんだ。」

「保育園でもか。熱心だな。」

夕食も済み、リビングでまったり過ごしている。だいたいこの時間に今日あったことを子どもたちが教えてくれる。

「そしたら、けんとくんが"おれがうーつ！"ってスパイク打ったの！」

でた。"けんとくん"。
香菜のハートを奪っていった"けんとくん"(１話参照)

「へぇ。けんとくんもバレーやってるんだ。」

「けんとくんのパパ、バレーやってたんだって！おしえてもらってるって！」

「………将来、"トスあげてくださいお義父さん"とか言われんのかな……」

「パパ。妄想いきすぎ。」

ママが苦笑している。

「きょう、けんとくんとおててつないだ！」

「なんか、こういう話って意外とショックっていうかさ。こんな気持ちになるもんだなぁ。思ってた以上にくる。」

香菜の嬉しそうな報告にパンチをくらった気分だ。

「私も意外って思った！なんだかんだ"そっかーよかったなー"なスタンスかと思ったら！香菜に惚れすぎ。いーなぁ、香菜。」

(いや、あの。俺、結構、あなたに対してもがんばったんですけど)
その言葉はしまっておいた。
木兎さんやら、木葉さんやら、黒尾さんやら、悪い虫をはらったんですけどね。
まぁでも、ママのお父さんからしたら、俺がそれか。父親って大変だなぁ。

「小学校あがったら、けんとくんもバレー少年団入るのかな？」

「どうだろ！あしたきいてみる！けんとくんはうぃんぐすかいぱーなんだってさ！」

「ウィングスパイカーな。スパイクを打つ人をスパイカーって言うんだ。」

「将太はセッターだもんね。いいコンビになるかもね。けんとくんとよく遊んでるしね。」

「苗字なんて言うの？」

「いわいずみけんとくん！」

「いわいずみかなになるのか。そっか…。」

「だからパパは妄想いきすぎ！」

９*世間は狭い*→←７*木兎バレー教室*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す