20*恋愛相談* ページ20
「コーチはさぁ。恋とかしたことあんの？」
「おまえはさぁ。バレーの質問してこいし。しかもコーチにものきくのにタメ語かよ。」
部活後の自主練。今日は残るメンバーもいなくて、コーチがつきあってくれている。
音駒高校バレー部出身の黒尾さん。第一印象は"チャラい"だった。女子高生と何かやらかしそうかと思いきや意外に硬い。感じ。よくわかんないけど。
「すみませーん。」
「っていうか、俺のこといくつだと思ってんの？そりゃあるでしょ。」
「なんか、彼女はいても恋愛に熱くならなさそう。恋するって感じじゃないなって。」
「あぁー。」
"そうかもなぁ"なんてケタケタ笑いながらボールを寄越してくる。
「何。おまえ、俺のこと好きな「違うから。」
感情をボールにぶつけた。
「あっそ。」
簡単に拾われてしまう。大人の余裕がムカつく。……大人の………余裕………。
「好きな人がいて。」
「ほぉほぉ。」
「でも、その人には大事な人がいて。」
「そりゃ勝ち目ないな。」
「そんなすぐ言わないでよ。」
「応援してほしかった？」
「………。」
「俺もあるよ。好きになった女に大事な人がいるってゆーの。」
「コーチはどうしたの？」
「別に何も。」
「なんで？」
「まぁ、ちょっかい出して楽しんでたけど。男が焦るのがおもしろくて。」
「性格わるっ。」
…とか言ったけれど。
私もおんなじことしてる、かも。
別に楽しいわけじゃない。
私の存在をどっちにも主張したくって。
対等になりたくて。……子どもかな。
「恋愛にも色んなカタチがあるからなぁ。奪った方がうまくいくとか、そっちのがよかったとかもあるだろうし、そのままがいいってのももちろんあるし。わっかんねぇな。まぁ、誰かが笑ってる裏で誰かが泣いてるな。今、おまえは届かなくって泣いてる立場だけど、もしも好きな人とうまくいったら次に泣く人も出てくるな」
"俺には関係ないけど。"とコーチは一人でトスしている。ボールは上がっては、落ちて。上がっては、落ちてを繰り返している。
「俺の場合、肝心の女は俺のことちっとも眼中になかったからひたすら泣きだわ。」
「私もそうだなぁ。」
「他人が磨きあげたもんは、よく見えるもんだ。お子ちゃまには、わからんか。」
「くそ大人め。」
「茉那てめぇ、レギュラー外すぞ。」
「ほめてます。」
「どこがだよ。」
* * *
茉那ちゃんと黒尾くんでした。
黒尾くんがお話してるのはAちゃんですね。書いてて楽しい二人
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深淵少女 - あかり…って誰ですか…？ (2023年4月18日 22時) (
レス) @page18 id: 1beab73a6d (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - ネオンさん» ありがとうございます！なるべく速めに更新できるようにします！楽しんでいただけて嬉しい！ (2017年7月13日 12時) (レス) id: 7ef4c8811d (このIDを非表示/違反報告)
ネオン(プロフ) - 前作からずっと好きで更新楽しみにしてます！更新頑張ってくださいo(｀^´*) (2017年7月11日 22時) (レス) id: b78b523cb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はりねずみ。 | 作成日時：2017年4月18日 11時
