1*日常* ページ1
「将太、香菜！いけ！」
「ろぉーりんぐさんだぁー！」
「だぁー！」
「ぐぇっ。」
いつも通り、朝がはじまる。
5歳の将太と3歳の香菜がパパを起こしてくれる。
「もうちょっと優しく起こして。」
「やだー」
「やだー」
子どもたちが大きくなって、お手伝いもしてくれるので、バタバタはバタバタだけど前よりはゆとりをもって過ごせている。
「いただきます！」
みんなそろって朝食を食べる。
「かな、ほうれん草いらないならちょうだい。」
「いーおー。」
兄妹の連携プレーに最近磨きがかかっている。
食べ物に関してはお兄ちゃんが嫌いなものは香菜が好きだし、香菜が嫌いなものはお兄ちゃんが好きだし、お互い把握しているのでいつの間にか交換していたりしている。
「お兄ちゃん、一口は香菜に残して。」
「いらないー」
「一口食べて。たまごやきと一緒に食べたら？」
むー。と香菜は口をとがらせ、しぶしぶと食べる。
「お！食べたじゃん！えらい！」
「よくできました。」
パパとママから褒められ、香菜がえへへーと笑う。
「ほうれん草食べられるようになったらお兄ちゃんみたく大きくなれるのになぁー。」
将太は保育園のクラスの中でも身長が高い。
パパも身長が高いからなぁ。
「かなはおひめさまになるから。おっきくなくていい。」
そうですか。
朝食と支度を終え、みんなで家を出る。
今日は香菜が玄関から動こうとしない。
「香菜？どうしたの？」
「ピンクのくつ！」
「昨日、泥んこになっちゃったから洗ったんだって。今日はオレンジにして。」
「やだ！ピンク！」
「でたよ、しょぼくれ…」
将太がやれやれと呆れている。
キミにもそんな時期があったからね。
「香菜。この靴はかないの？」
パパが口をひらく。
「はかない！」
「そっか。残念だな。昨日、魔法使いがきてこの靴に魔法をかけてくれたのにな。」
「まほー…？」
「シンデレラみたいなお姫様になれる魔法。そっか。はかないのか。」
「え、はく！はく！」
「どうぞ、姫。」
さすが、さすがです。
「俺はしょぼくれから逃れられない運命なのかな。」
「さすがとしか言いようがない。」
その日の夜、「おうじさまにあったのー！」と将太と同じクラスのけんとくんに恋心を抱いた香菜を見て落ち込んだパパでした。
* * *
MEMO
子どもがこんなにころっと気分を変えてくれたらどんなにいいか。
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深淵少女 - あかり…って誰ですか…？ (2023年4月18日 22時) (
レス) @page18 id: 1beab73a6d (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - ネオンさん» ありがとうございます！なるべく速めに更新できるようにします！楽しんでいただけて嬉しい！ (2017年7月13日 12時) (レス) id: 7ef4c8811d (このIDを非表示/違反報告)
ネオン(プロフ) - 前作からずっと好きで更新楽しみにしてます！更新頑張ってくださいo(｀^´*) (2017年7月11日 22時) (レス) id: b78b523cb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はりねずみ。 | 作成日時：2017年4月18日 11時
