#113 ページ16
信五side
たつといる間は、明るく振る舞った。
だってたつを、心配させるから。
だってたつが、平然を装ってるから。
だって俺は、たつのおとんやから…。
だから面会時間が終わり、車に乗った瞬間、
涙が溢れてきて止まらなくなった。
なんでたつなん？なんでなんで…
俺は親なのに…何もしてやれん…惨めや。
代わってやりたい。たつを苦しませんでくれよ…。
・
・
・
信五「…帰ろ…。」
どれぐらい経ったやろ。
気づいたら駐車場には俺の車しかなく、街灯も消えていた。
途中でコンビニに寄り、カゴに缶ビールやサワーを放り込む。
飲まなやってられん。
一瞬でも忘れさせてくれ…ごめんな。
「…なんや、えらい飲むんやなぁ。」
信五「！？…なんやっ…って、すばる。」
背後から急に声を掛けられて一瞬驚いたけど、振り向くとそこにはすばるが立っていた。
すばる「なんや、何かあったんか？
お前が飲むなんて珍しいな。」
信五「いや、まぁ…って、すばるこそ何してんねん。」
すばる「俺は仕事の帰りやん。」
信五「…ほーか。」
すばる「…久々に飲もうや。」
信五「いや…」
すばる「ええから！」
普段なら引き下がるんに、強引に誘うすばるには、何もかもお見通しやねんな。
信五「おん。」
ーーー
すばる「適当に上がって。」
信五「お邪魔します。」
すばる「その辺座ってて。なんか適当につまみ作るわ。」
そう言ってキッチンにたつすばる。
ほんま、ゆっくりお邪魔するんわ久々やわ。
ソファーを背もたれにして床に座った。
すばる「あるもんで作ったからアレやけど。」
信五「すごいな、こんなん出来んの。」
すばる「そない大したものちゃうて。
とりあえず乾杯しよ。」
そう言ってさっき買ってきた缶ビールを取り出し乾杯。そのままグビっと飲んだ。
そこからはお互い話すことなく、沈黙をかき消すように付けたテレビの音だけが響く。
…たつ…。
でも考えるのはたつのことばかりで…
すばる「…おい。」
信五「…」
すばる「おいゴリラ。」
信五「…んぁ？てかゴリラちゃうわい。」
すばる「うっさいねん。
たつはどうなん。少しはようなったん？」
数日前の発作のことはすばるには話した。
信五「あぁ…んー…」
すばる「何かあったんやろ？」
信五「…まあな。」
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新道踏切(プロフ) - 更新楽しみです！今日見つけてすぐ読んじゃいました！更新してるの見たいです!!!! (2021年4月11日 12時) (
レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
菜月(プロフ) - 気長に更新まってます！何度もリピってつい読み直しちゃいます！続きも楽しみです！ (2020年11月22日 8時) (レス) id: 766264bb46 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 更新待っています！ (2020年10月22日 7時) (レス) id: 63651968c9 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 更新楽しみにしてます！！またゆっくりで良いので更新してください！！ (2020年10月13日 19時) (レス) id: ac090d0a03 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませていただいてます。この作品が大好きで、何回も見返してます。これからも無理のないペースで、更新していただけるのを楽しみにしております！ (2020年7月29日 1時) (レス) id: 96e7443e85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yunn | 作成日時：2020年6月7日 0時
