#109 ページ12
侯隆side
ヒナからナースコールが来た時、その内容を聞いて正直焦った。
マルと病室に駆けつけ軽く診察したあと、
ストレッチャーにたつを寝かせて処置室へ移動した。
侯隆「左手、右の手足は動くか？」
処置室につき、他の手足を確認していく。
左手の指先、右の手足は曲げたり伸ばしたり出来るみたいやな。
侯隆「ちょお、CTとエコー撮らせてな？」
さっき連絡しておいたからスムーズに対応してくれて、検査はすぐに終わった。
たつはというと不安が隠しきれずにキョロキョロ、ソワソワしとる。
隆平「横山先生、結果が届きました。」
すぐにCTとエコー画像を確認する。
侯隆「…マジか…」
映し出されたたつの心臓は以前よりも大きく肥大していた。そのせいで血管も細くなり、これじゃあ酸素も血流も回るわけがない。
侯隆「…。」
隆平「…横山先生？」
侯隆「あぁ、たつ病室戻ってええよ。」
マルに後ろから声をかけられて我に返った。
隆平「はい…あの…」
侯隆「見て？CT。」
隆平「え…。」
侯隆「…マル？先たつと病室戻ってて？
先にヒナに伝えるから。」
隆平「…はい。」
侯隆「お前、たつの前でそんな表情出すなよ？」
隆平「…分かってます。」
・
・
・
コンコン
ガラッー
侯隆「おぉ、そこ座って？」
マルに先にたつと病室に戻ってもらい、診察室にヒナを呼んでもらった。
信五「おん…んでっ、その…。」
ソワソワ落ち着かない様子のヒナ。
侯隆「単刀直入に言うぞ？」
信五「待って…怖い、わ。」
侯隆「…。」
信五「分かるもん…何となく。
なぁ…お願いやから、アイツからこれ以上奪わんといて？もう十分やろ…(涙)」
侯隆「…。」
何もかける言葉が見つからなくて、ただティッシュを差し出した。
俺かて…お前と同じ気持ちやねん…。
・
・
・
信五「…はぁ…ごめん、話して？」
侯隆「…たつの左足は、硬直してる。
心臓が肥大して、そのせいで心臓の周りの血管が萎縮して酸素や血液が上手く送れてない。」
あえて淡々と伝えた。じゃないと泣いてしまいそうで。
医者は患者に対して感情移入をしてはいけない。
その分辛くなってしまうから。
これは学生時代からずっと言われてたこと。
でも…俺かて人間やねん。
下を向いて拳を握りしめながら涙を流す親友の姿。
俺って…ちっぽけや。
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新道踏切(プロフ) - 更新楽しみです！今日見つけてすぐ読んじゃいました！更新してるの見たいです!!!! (2021年4月11日 12時) (
レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
菜月(プロフ) - 気長に更新まってます！何度もリピってつい読み直しちゃいます！続きも楽しみです！ (2020年11月22日 8時) (レス) id: 766264bb46 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 更新待っています！ (2020年10月22日 7時) (レス) id: 63651968c9 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 更新楽しみにしてます！！またゆっくりで良いので更新してください！！ (2020年10月13日 19時) (レス) id: ac090d0a03 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませていただいてます。この作品が大好きで、何回も見返してます。これからも無理のないペースで、更新していただけるのを楽しみにしております！ (2020年7月29日 1時) (レス) id: 96e7443e85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yunn | 作成日時：2020年6月7日 0時
