検索窓
今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:6,751 hit

ページ5




もういい。ヒーローぶって、ヌナにとっての最大の相談役になる必要はないのではないか。

俺の言葉に、ヌナはゆっくりと顔をあげた。目が合い、ゆっくりと俺は微笑む。


大学二年のガキにこんなことを言われてさぞかし驚いただろう。でも俺は本気だ。

ずっとヌナの背中を追いかけてきた。高校も仲のいい友達と別れ、ヌナと同じ学校に入学した。
部活は吹奏楽に入って、サックスパートを担当した。

今思えば、何とストーカーまがりなことをしたか。
でもヌナに追いつくにはそれくらいしか思いつかなかった。

それくらい、本気だ。






「ヌナ…、俺はずっとヌナのことが好きでしたよ。」




泣き腫らした目がようやく俺をとらえた。困惑したような表情を浮かべたと思ったら、またぽろぽろと泣き始める。





「ごめん…、グク…私」



「今!!!」





思わず大きな声が出る。

あっと思い、声を落として、ヌナに言う。





「今…じゃなくていいんです。これから、ちょっとずつ、俺を見てくれればいいから…。

いつか、俺を男として見てくれればいいから。それが…俺にとっての幸せだから。」






懇願するように、言葉を吐き出す。

再び泣き始めたヌナの背中に手を回して、そっと抱きしめる。




「それ」がいつになるのかはわからない。

明日かもしれないし、来年、もしかしたら数十年かかるかもしれない。

あるいはそんな日が訪れることはないのかもしれない。



別に、それでいい。

こうして、ヌナの隣にいられること。







それが、俺にとっての euphoria だ。


just an ordinary day 【you】→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.5/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
78人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:てふ。 | 作成日時:2021年10月26日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。