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時は流れて、現在。今俺はジミンヒョンの家にいる。
バイト帰りにテヒョイヒョンに話しかけられたと思ったら、その横でぐったりとしているジミンヒョン。話によると、ヤケ酒をしたらしい(何でそうなったかはぼかされた。)が、限界まで飲んだのは初めてだったらしい。
そして、テヒョイヒョンと二人がかりで運び込んで、今に至る。
「じゃあ、俺帰るんで」
「ごめんねジョンクガ。ありがと。ジミンにあとでなんかおごらせるから」
そう言ってぐっと親指を立てるテヒョイヒョン。
「勝手に決めんな…」とベットから弱弱しく反応するジミンヒョン。
俺もそんな二人の様子に笑いながら親指をたて、部屋を出た。
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「やー、ジョングガー?」
その帰り道、久しぶりに母から電話が入ってきた。少し声のボリュームを抑えて、返事をする。
「久しぶり。実家帰れてなくてごめん。どうかしたの?」
「今日、ウォナちゃんが家に来たのよー」
母が言った言葉に思わず耳を疑った。ウォナ、つまりは、ヌナのことだ。
ヌナは高校を卒業してすぐにソウルのほうの音楽大学に進学した。そこから夢であったピアニストになって、いまやその実力と美貌から期待の新人として注目されているくらいだ。
俺はそんな話を母親から聞いただけだった。なんせ、あの日からヌナには会っていない。
なのに、どうして。
「そしたらあんたの家の住所聞かれたから、教えてあげたら、またスッと行っちゃったけど…。
何かしたの?」
ヌナ。
「…ごめんオンマ。また後でかけなおす。」
一方的に電話を切って、俺は一目散に走り出した。
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作者名:てふ。 | 作成日時:2021年10月26日 20時