ねえ、先輩。＊another story (ページ16)

今日:2 hit、昨日:12 hit、合計:6,753 hit

・ページ16

＊

「先輩って、兄弟とかいるんですか？」

「んー、兄が一人。今遠くで働いてっからなかなか会えてねぇけど」

「一緒ですね。私も3個違いの兄が一人いますよ！」

初情報に目を丸くする。てっきり一人っ子だとばかり思っていた。

「へえ。じゃあ…俺の一歳上か。優しい兄ちゃんなの？」

「はい！たまに一緒に買い物とかも行きますし…。でも兄は心配性なんですかね？毎日50件近くカトクを送ってきて…さすがにやめてほしいなぁーなんて。」

それはシスコンっていうんだぞ。
という突っ込みを飲み込んで、「大変だな」とだけ言っておく。

「写真ありますけど、みますか？」

「ん、見てみたい」

ちょっと待っててくださいねとスマホを操作し始めたAを見つめていると、ポケットの中の俺のスマホが鳴った。通知を見ると、またジンヒョンからだ。

めんどくさいと思いながら渋々トークを開いた。

ジンヒョン今写真の整理をしてたんだけど、こんなの見つけちゃった。どう?

「は…？」

「あっ、これですこれです」

ジンヒョン(写真)

ジンヒョン目の前の子にそっくりなんじゃない?

送られてきた画像と今Aに見せられている画像を見比べる。

Aの方には、Aと兄だというジンヒョンがいて。

ヒョンから送られてきた写真には、ヒョンと妹だというAが映っていた。

キム・A。キム・ソクジン。

韓国には、キムがたくさんいる。
だから別に彼女と先輩の苗字が同じでも違和感何てなにも感じなかった。

「せ、先輩？ど、どうかしました？」

ピースがしっかり型通りにはまってすっきりしたと思う反面。

会社の先輩、シスコンの兄。

「いや…なんでもない。」

明日からの仕事がどうなるものかと、俺は早くも頭を抱えた。