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仕事を定時で切り上げて、一足先に待ち合わせ場所でAを待つ。
ぼんやりと夕焼けを眺めているとジンヒョンからカトクが届いた。
ジンヒョン今日のお礼は明日のランチでもいいよ♡
ご丁寧にハートまでつけて…一体いくつだよこの人。
仕方なく返信を打っていると、突然背中に衝撃が加わった。びっくりして後ろを見ると、クリッとした目で俺を見上げるAがいた。あまりの愛しさに回された手をトントンと叩く。
「お待たせしました。暑い中スミマセン。」
「いや、さっき来たとこ。なんか食いたいもんある?」
「そうですねぇ…、んー、冷麺!冷麵食べたいです!」
今どきの女子大生がデートに冷麺って。てっきりおしゃれなレストランを要求されると思っていた俺は拍子抜けした。まあ、そんなところもAらしい。
「了解」
ん、と手を出すとぎこちなく俺の手を握った。
そしてぎゅっと強く結んで、ソウルの街へ歩き出した。
*
__そして、冷麺に舌鼓を打っていた時。事件が起こるのだった…。
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作者名:てふ。 | 作成日時:2021年10月26日 20時