8:じゃまされたおうじ ページ43
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「ねぇ、まふくん。」
「ん?」
「聞きたいことが………」
私はあなたにとってどんな存在なのか。
大切にしてくれているのはわかる。
だけどそれは、どういう意味なの?
それが分からないから、私ばっかりドキドキして嫌だ。
だけど、そんな言葉を言おうとするとまふくんは私の頭を撫で始めた。
「………」
「かわいい」
「撫ですぎ」
「かわいいよ。かわいいなぁ、もう。可愛すぎる。」
「……まふくん、」
私撫でられすぎて禿げるかもしれない。
「……まふくんはさ、なんでこんなことするの?私に。」
「大切だから。」
まふくんは、すぐに答える。
真っ直ぐな瞳になんだか恥ずかしくなって、私は顔を見られないようにまふくんの背中と自分の背中をくっつけた。
くっつけたら、へへへ、と笑い声。
「お母さんにもそんなことする?」
「しない」
「ほかの友達には?」
「しない!」
「……なんで?」
まふくんの表情は、この位置からは見えない。
「Aちゃんにしかしないよ。Aちゃんは誰よりすきだよ。アナタはね、ボクの生きてる理由。」
「……っ」
「ほかの友達いらない。Aちゃんいればいい。それじゃだめかな?ぼく、変?」
背中を向けていたはずなのに、
私はいつの間にかまふくんに抱きしめられていた。
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山下(プロフ) - ゆんたさんの作品が大好きで一文字でも多くゆんたさんの書く文章が読みたいです。もし宜しいのであれば続編を読みたいです。 (3月31日 3時) (レス) id: 12bd432e17 (このIDを非表示/違反報告)
めぞぴあの(プロフ) - 続編、読みたいです… (8月30日 19時) (レス) id: 269b094ab0 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 続編読みたいです!!!!!!!!!!!!!!!!! (2023年3月25日 9時) (レス) id: 0407d7412e (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - コメント失礼致します。この作品、好みドンピシャです…!ここまで刺さる作品今まで読んだことがなかったので読んでいてとても楽しかったです! (2022年12月31日 17時) (レス) id: cb0bd95209 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃん(プロフ) - コメント失礼します。最高の作品でした。今はパスワードがあって見られませんが、いつか全体公開にしてくださる日を待ってます!!!いつか続編見たいです! (2022年10月31日 23時) (レス) id: 3a7614e975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆんた | 作成日時:2018年6月19日 19時