31:欲しかった、その...... ページ31
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「確かに、そらるは馬鹿な男だよ。私より歳上のくせに、すぐに怒って。」
「……」
「でもね、そらるはクソ男じゃないし、卑怯でもない。むしろ正々堂々としてて、自慢の幼なじみなんだよ?」
Aは、笑ってみせた。
その笑顔は俺が見てきた笑顔の中で1番綺麗で、1番大人っぽかった。
「……なんで、」
「そらるは、将来絶対に成功する。大成する男だよ、それを私が知ってる。」
「……俺の周りは、そんなこと1ミリも思ってねぇよ。」
誰一人、俺の将来が上手くいくなんて思っていない。
だから誰もついてこない。
それは毎日感じている事だった。
「周りなんて関係ないよ」
「……」
「私は、そらるの幼馴染。そらるを20年間以上見てきて、1番そらるのことを知ってるでしょ?」
「……そうかもな、」
「私が誰よりそらるのことを知ってて、その私がそらるは成功するって言ってんだから! ね! 黙って私を信じていればいいのー!」
こんな俺なのに。
こんな俺を、
Aは、誇りだと言ってくれて
成功するって笑ってみせた。
肩の荷が、全部全部下ろされた。
俺がいくら下ろそうと頑張っても下ろせなかった、重くて大きい荷物が…
悔しさや、不安が、全部
目の前で笑ってる、小さなこいつに
一瞬でかき消されたんだ。
「そらるはまだ若いし、なんだってできるし、絶対成功するよ!」
あぁもう、なんでお前は
こうして俺に
今1番求めていた言葉をくれるんだよ。
考えてみたら、辛い時、
いつだって笑わせてくれるのは昔から
お前だったんだよな、A。
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ぽにょ - 間違いだったらごめんなさい。このお話って「サムマイウェイ」のパクリではないでしょうか? (2022年9月4日 19時) (レス) @page28 id: b0029b04cd (このIDを非表示/違反報告)
花蘭(プロフ) - どうして後半だけパスワードがかかっているのでしょうか…? (2020年8月15日 10時) (レス) id: 7a9bcca966 (このIDを非表示/違反報告)
まぬん(プロフ) - 完成したはずの後編を見たいんですけどパスワードがかかっていて見れません…よければパスワードを教えてて頂きたいです! (2020年5月14日 8時) (レス) id: d24847e3a9 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - お話の続きを読ませていただきたいのですが、パスワードを教えて頂くとこは可能でしょうか…?? (2020年3月27日 9時) (レス) id: eab2b547de (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - 初コメ失礼します。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: eab2b547de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆんた | 作成日時:2018年6月17日 21時