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4話 ページ6

『俺ずっと探してたのに!』


「あぁ」


『ここまで走って来たんですよ!?』


「あぁ」


『…どうでもいいって思ってるでしょ』


「あぁ」


『オ"イ"ッッツ!!!!!』


俺を見上げながら大声で騒ぐ踊柱、中村A。


周りの木より一際高い枝から飛び降り、Aの前へ着地する。


睫毛の長い目を閉じて、ふん、とそっぽを向く美青年に溜め息をつく。


「面倒くさい……」


『ちょっと!!キレそう!』


可愛い顔を百面相しながらつらつらと文句を垂れるのが面倒なので、


そのまま任務内容を説明し始めると、ムッとしていた顔もいつの間にか柱の顔になっていた。


『……お香の煙を吸わなきゃいいんですよね?』


「極端に言えばな」



最近この山の麓で不思議な匂いのする煙を吸った村人が幻覚をみたり、
発狂し、自ら鬼に喰われに森に迷い混んだりするらしい。



別にこれくらいの鬼なら一人で倒せるが、
数の多い雑魚ばかりで、対象を見つけられなかった。


そこで二手に別れ作業効率を上げるためにAを呼んだ。


……別にAじゃなくてもよかったが。


『冨岡さん、全然見つけられないって言ってましたよね……』


「…?ああ、」


『あれ、そうじゃないですか?』


はははと乾いた笑いをこぼすコイツの目線を追うと、まさしくそれですといった風貌の鬼が木の上
に立っている。


幸いなことにこちらには気づいていない風で、更に奇襲を仕掛けるにはいい立ちどころだ。


女の鬼は手に香炉を持っているようで、今まさに火を着けている最中だった。



煙は風に乗ってどんどんと広がっていく。



羽織の袖を口に当て、煙を吸い込まないように姿勢を低くする。


「……行くぞ」


『ん……ふぁ…あ、、、はい』


あくび……?

こいつ今あくびしてたか?


「吸った……」

『吸……?、、、あ。』


やってしまったと急いで口を塞ぐが、吸ってしまっていては意味がない。


「すぐ始末するぞ」


準備しろという目を隣にいるはずのAに向けたが、


『うおぉぉぉぉお!!!!ヤバいって〜〜!』


もうとっくに寸分先を駆けていた。


「馬鹿…ッ、先走るな!」


軽そうな体は、鬼に向かって一直線に飛び上がった。

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作者名:papo | 作成日時:2019年9月10日 23時

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