《鬼滅の刃》君は寝付きが悪いから《男主》 (ページ5)

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3話ページ5

洗濯され、すっかり綺麗になった隊服を身にまとい、持ち慣れた重さの刀を腰にさす。

『よしっ、じゃあ行ってきます！』

任務が滞っている冨岡さんと早く合流しないと。

「んだよ起きたばっかりだっつーのに、こんな色男置いて他の男の所へ行くなんて」

そう言って頭に顎を置かれる。

天元なりに無理するなと言ってくれてるんだろうけど。

素直じゃないなぁ……なんて

『天元、重いおもい』

「そうだ！いくらAと離れるのが寂しいからと言って邪魔をするのはいけない！」

「そう言うテメェはどうなんだよ」

「うむ、とても寂しい！」

『煉獄さんまで……朝方には戻れるはずですから、帰って来たらお話沢山聞いてくださいね！』

「俺もだぞ！派手に聞いてやる！」

はいはい、という意味を込めて手を振る。

「気をつけて！(皆さんA君が好きなのね…愛だわ…♡)」

冨岡さんが困ることなんて滅多にないから心配だ。

あの人がいるところまでは少し距離があるから急いでいこう。

門をくぐり足を動かす。

走るのは特別得意というわけでもないが割りと好きだ。

すん、と鼻を鳴らせば初秋の夜の匂いがする。

辺りは月明かり以外光のない暗闇に包まれているが、

きっと人より光を拾いやすい目の俺には十分な明るさだ。

北上を見ると冨岡さんの鴉が鳶のようにくるくると円を描いている。

だからこの近くにいるんだと思うけど、中々見つからない。

『冨岡さ～～んAです～どこ～～』

小声で迷子の冨岡さんを呼べば真上から見覚えのある羽織がはためいた。

『真上じゃんちょっと』

と不満げに声をかけると

「俺はずっとここにいた」

と少しだけ眉間にシワをよせた。