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26話 ページ28

『ええ!無限列車の件、炭治郎も行くんですか?』

「うむ、御館様と胡蝶の推薦でな」


柱合会議に寝坊で出られなかったAに杏寿郎が伝える。
昼のパキッとした青空が広がっていた。

ようやく寝間着から隊服に着替える彼はどこかそわそわしていた。竈門炭治郎が、柱が行く任務に参加する。

あんなに弱かったのに。


『上弦との遭遇もありそうだけれど大丈夫かなあ、まあ貴方がいれば心配なんかありませんね』

「おや?信頼してくれているのか?嬉しいことだ!!」

『もちろん信頼してま、あ、うわ、顔が近い!』


つい嬉しくて、と眩しい笑顔を向ける彼は「おいで」とAの手をひく

すっぽり収まる体は何だか痩せたような。


「もしも俺が居なくなっても君は、と考えることがある」

『え、どういう』

「今まで通り誰かが君の世話を焼くから、心配はいらないなと」


杏寿郎は笑顔だがどこか寂しい。

そんなことを考えたくなくてか、そんな日は来ないと信じていたいからか、腕の中の彼は杏寿郎の隊服を握りしめた


『今までそんな事言わなかったのに、長期任務の前にそんなこと言うなんて。まるで、嫌だ、お別れみたいだ。』

「鬼殺隊である以上、いつかその日は来る。わかってるだろう?」

『わかってます、でも言わなくたって、』

「A、なんだか、今は君をうんと抱き締めさせてはくれないか」


2人はひきっぱなしの布団の上で何も言わずに抱き締め合っていた。

自分の定めを理解している。
けれど、それは酷く残酷で。


「泣かないでくれ、そんなつもりじゃない。
朝食をしっかりと食べて鍛錬も欠かさず、夜は誰かと眠り、健康でいてくれたら御の字だ。」

『そこに煉獄さんはいないの、』

「いるさ、本当だ」


しばらくして鎹鴉が鳴く、
Aへの伝達、任務だ。


「ふう、すまなかった!行かなくてはな!」

腕の中の彼は動こうとしない、


『煉獄さん、口吸いして、』

「君は、〜っ!」


杏寿郎が言葉を紡ぐ前に自分より小さい彼に押し倒される。
愛おしい彼が泣いている、


『死なないなんて大前提だ!こんな気持ちにさせたんだから、責任取ってください、』

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作者名:papo | 作成日時:2019年9月10日 23時

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