【テニプリ】寡黙少女とテニス (ページ6)

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Quiet_3 ページ6

彼…日吉君のおかげで少し落ち着いた

此処まで来てもらって、此処までしてもらって何も答えないわけにいかず

私は自分のことを白状した

両親が他界していること、作家をして生計を立てていること

料理ができないので栄養価の偏るようなものばかり食べ原稿で睡眠時間も削られ

それのストレスが溜まったせいで体調不良で学校に行けなかったこと

……そして二年間、何も口も聞かなかったことへの謝罪…

「気にしてねぇよ…

それより薬は飲んだか？今日は何か食ったか？」

「…まだ何も

明日が原稿の締め切りで…それに、これは不味くて…本当は嫌い」

「ハァ…おい、電話借りていいか？」

「えっ…あっ、どうぞ？」

彼に電話をわたすと彼は慣れた手つきで電話番号を打ち込み電話をかけていた

少し気になりはしたが原稿があと少しということもあり

私は黙って文字を綴っていた

「よし…それで…冷蔵庫には何かあるか？」

「えっ…うん…ある程度は、たまに担当の人が渡しに来るから」

「そうか、じゃあ…借りるぞ

何か食べたいものあるか？」

「い、いい！いらない…貴方に迷惑が掛かるから、いい！」

冗談ではない

此処までしてもらってまだ、彼に迷惑を掛けなくてはいけないのか

全力で拒絶を示す私に彼はトンと私の頭を軽く叩いて言った

「俺がしたいだけなんだ、代わりに今日ここに泊まらせろ

それで貸し借りなしだ」

「…う、うん…ごめんなさい

ありがとう…日吉君」

「堅苦しい奴だな

二年間もずっと近くにいるんだ

もっと親しげにしろよ、呼び方も若とかでいいからさ…俺も癒衣って呼んでやる」

「うん…ありがとう若

嬉しいな…私、初めて友達できた気分…」

「…そりゃ、何よりで」

久しぶりに食べた誰かの手料理は…

とても美味しく感じた