【テニプリ】寡黙少女とテニス (ページ43)

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Quiet_40 ページ43

あれからもう二時間試合は続いている

若と対戦相手の二人が疲れを見せる中

私だけはまだ絶好調だ…悪いが鍛え方が違う

現在は３-３…ちょっと遊びすぎたと思いながら今後どうするか考えていた

「おい、マジかよ…

アイツ、後衛って言っても日吉より動いてるんだぜ

何で汗一つかいてないんだよ」

「何や、実は滅茶苦茶ヤバい選手やったってオチやないよな？」

「そのまさかだ、監督曰く、日本に来る前はどうやら

どの国でも優勝してくるような天才テニスプレイヤーだったらしいぜ」

その言葉にメンバー全員が驚く中

私の方は取り敢えず、前衛後衛入れ替えようという結論に至って何とか交渉しているが

どうにもうまくいかない

「大丈夫だって言ってるだろう？心配すんな」

「…大丈夫じゃない

若、交代しよう？私が前衛したい…駄目？」

「…わかった。でも、無理すんなよ

きつくなったら俺に代われよ」

コクッと頷き入れ替わる

とはいえ、それはこっちのセリフだ

残りの体力から考えるの此処からはほとんど、自分で何とかするしかない

それを読んでか跡部さんは私に向けて言い放った

「火野水、お前だけのプレーを俺に見せろ」

腹立つ、言われなくてもこっからは少し本気だ

打たれたボールを容赦なく返す

恐らく、誰にも見えなかったはずだ

「15-0って…ね？

続けましょう

私ちょっと…飽きてしまいました…」

「マジで見えなかった…」

「あれって打球が早すぎて見えないんですか？

それとも何か別の…」

「そんなの知るか

ただ言えるのはあいつは本気出せばもっと強いってことだけだ」

「やはりデータ不足だったか…」

「そうですね、出直してください

もう、１ポイントも取れると思わないでください

ねっ？若」

そのまま、同じボールを打ち続た

勿論、宣言通り１ポイントも落とさず

その気になればボールのコントロールぐらい簡単だ

最後ににこやかに笑って試合を終える

若はそれに唖然としながら結局は私を褒めるように髪を撫でてくれた