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Quiet_2 ページ5

六年生…三月

世間ではそろそろ卒業式だ

それは自分の学校も同じで

日々の授業時間はほとんどが卒業式の練習時間に当てられていた

そんな大切なシーズンだと言うのに火野水は初めて学校を連日休んだ

転校してきて以来一度も休まなかった彼女がもう四日も休んでいた



『あぁ…火野水さんですか

気になるなら連絡のついでに様子を見てきてもらえますか?

住所はここですから』

「えっ…あっ、はい」



成り行きで行くことになってしまい

後戻りもできず、俺は彼女の家に向かった

インターホンには応じない、それなのに鍵は開いていた

嫌な予感がし悪いことは分かっていながら家に上がる

キッチンには無造作に空のカップ麺の容器が置かれ、数日使った痕跡もなかった

それどころか家に電気さえ付いていなかった…ただひとつ二階のある一室を除いては

恐る恐るその部屋の扉を開けると

机に突っ伏している彼女がいた

起こそうと体に触れるととても熱かった



「お、おい!大丈夫かよ」

「ハァ…ハァ…だめ、みない…で」

「えっ?」


力なく机の上を這う手がかき集めるのは

同じシリーズの小説の数々と書きかけの原稿用紙

それは、俺でも見たことのある有名なもの



「お前まさか…この原稿を完成させるために…」

「んっ…あっ、えっと……」

「あっ!わ、悪い…そのお前休むから心配で

だから…その…悪い、勝手に入って…」

「ううん…その、ありがとう…」

「えっ?」



完全に嫌われたと思った

それなのに、思うように動かない体を動かし

今まで一度も見せたこともない顔を俺に見せてまで彼女は俺にそう一言だけ返した

様子を見に来るだけ…そう思っていたのに

俺は彼女をベッドに運んで看病する心づもりになっていた

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めめこむまーりん(プロフ) - 修正が終わるの楽しみにしてますね。 (2018年10月10日 12時) (レス) id: 43047aa610 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零夜&李香 x他1人 | 作成日時:2012年6月26日 1時

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