【テニプリ】寡黙少女とテニス (ページ36)

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Quiet_33 ページ36

その夜、何故か寝付けなかった

部屋は冷房がかかっていて暑いわけでもない

これと言って一緒にいる仲間が煩いわけでもない

だが何故か寝付けなかった

「少しぐらい…歩き回るのはいいですよね…」

できるだけ物音を立てないように進む

気が付けば端まで歩いていたのか入るなと言われた物置部屋のドアが見えていた

「入っちゃダメって言われてたけど…」

好奇心が沸く、どうしても気になる

周りに人がいないことを確認してそっとドアを開けた

入って一番に見えたのは手入れの行き通った机と椅子、ベット

全て、二人分あるそれと“誰の物か分からない家族写真”

「物置って言うか…寝室？……この写真、誰の？」

背筋がゾッとする寒気を覚えた

そして、冷たい視線…

振り返るとそこには火野水さんが立っていた

「鳳さん、開けちゃったんですね」

ドアに背を預け、片手で鍵を掛ける音がした

前髪で隠れて表情なんて全く窺えないのに

その下からは明らかな敵意を感じた

「いや…その…」

「でも、意外…鳳君、真面目そうだからきっと守ってくれると思ったのに

…あぁ、残念」

「ッツ…！！」

自分が動くよりも早く、火野水さんが俺の目の前まで迫っていた

抵抗する間もなく、強烈な痛みと共に俺は意識を飛ばした