【テニプリ】寡黙少女とテニス (ページ29)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:132,754 hit

Quiet_26 ページ29

準備を整えてコートに立つ

それにしても模倣テニスとはよく言ったものだ

此処までできれば、最早…無我の境地なのだが…そこまで思考がシフトしないか

「いつでもいいぞ」

「じゃあ…まずは……一球…入魂！」

「「！？」」

「あれは俺の！」

バンッと地面にボールを叩きつける

正直、この程度で驚かれると逆に面白くないのだが…

「ありえへん…火野水は一回しか鳳の技を見てないはずやで」

「なるほど…さしずめ完全記憶能力みたいなものだろうな」

「完全記憶能力だ？」

「一度見たものなら何でも記憶する能力のことだ」

「つまり火野水は今までの全ての試合の業を全部記憶してるのか？」

試合を続けながら笑いをこらえる

あぁ、面白い憶測を巡らせてるものだ…どうして、分からないのだか

じゃあ、もっとすごいものを見せるとしよう

「じゃあ……次は…これで…！」

「あれは！跡部の…」

「破滅への輪舞曲の確立…100％！」

「分かったところで打ち返せないですよ…」

カランッとラケットが落ちると同時に

二打球目を打ち込む

「破滅への輪舞曲…」

「模倣テニスって言っても凄すぎだろう…」

此処までやってもか…

んっ？そもそも、存在を知っているものなのだろうか

片隅で思いながら首を傾げていると乾さんはハッと何か思い出したように告げた

「君まさか…無我の境地を」

「…何ですかそれ？」

その考えに至るのなら、まあデータテニスを語るだけあるだろう

氷帝も青学もそうだが、中学生なのにレベルものすごい…

もう少し頑張れれば、下位コートぐらいなら蹂躙されそうだ

とはいえ、此処で取るべき行動は知らない振りだ

私の周りに薄っすら纏われるオーラに気づいてないならまだ、教えてあげられるほどじゃない