【テニプリ】寡黙少女とテニス (ページ25)

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Quiet_22 ページ25

髪は綺麗に纏めて、ウィッグを付けたし

カラーコンタクトも入れた

何も問題はないはずなのに…一つ問題が生じた

「…戻りました」

「で、その大荷物は何だ」

「お土産にって知り合いの小父さんが」

「この特訓メニューらしきものは何だ」

「小父さんに跡部さん達のこと話したら…

勝手に作られた…だけ」

それだけ話すと私はいつものように黙り込んだ

しかし、それはすぐにある人物により壊された

「あー！町であった女の子と同じ香りがする！」

「！！」

「ほう…ジロー、そいつはどんな奴なんだ？」

「えっと…茶色の髪で黄緑の目した

火野水さんみたいな子」

ギョッとして周りの人から距離を取る

何とかして、この話題をやめさせないといけない

「香りなんてたまたまだと思いますよ…

それに私みたいって…」

「髪の長さも一緒なんだよ？

あっ！俺わかっちゃった！

火野水さん染めてから来たんでしょう！」

鋭すぎる質問に

私は、自分から地雷を踏みに行くことにした

この話を終わらせるにはこうするしかない

「何で私がそんな面倒なことしてこないといけないんですか

ただでさえ早く来ないと跡部さんに何されるか分からないのに…」

「それは、お前が全部悪いんだろうが！」

「あっ！跡部部長！何、癒衣のこと虐めてるんですか！！」

「あっ…若」

何とか、話題を逸らせたのに

若の姿を見た跡部さんは名案を思いついたとばかりに

若に質問を吹っ掛けた

「丁度よかった、日吉

お前、火野水が昔茶髪だったとかそんなこと知らないか？」

「何言ってるんですか…癒衣はずっと銀色ですよ」

癒衣の髪を撫でながらそう言う若

真偽はどちらにせよ

一番古くからの知り合いである若の言葉に

反論する者はいなかった

…やっぱり、若はいつもナイスフォローだと思う

「そんなことより跡部部長

癒衣が帰ってきたらオーダー発表するって言ってましたよね？」

「…そ、そういえばそんなことも言ってたな…」

結局この後、誰にも追求されることなく

テニスコートに向かえた

私はにこやかに若にありがとうと告げたが

若は何のことかさっぱりわからないのか首を傾げていた

…跡部さんがずっとこちらを見ていることには気づかなかった