【テニプリ】寡黙少女とテニス (ページ21)

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Quiet_18 ページ21

歩き慣れた道を歩く

ようやく目的の施設が見えてきて嬉しさのあまり微笑んでいると

建物の中から出てくる至小父様の姿があった

「おかえりなさい

随分早かったですね」

「これから大会もあるし忙しそうだから前倒してきちゃいました」

「そうですか、学生も大変なものですね

立ち話も何ですし…行きましょうか

貴方に会いたがっている方が待ってますよ」

「奏兄と修兄と鬼兄さんかな？」

「大当たりです、さあ行きましょう」

去年来た時とも初めて連れてこさされた時とも変わらない景色

少し変わったことといえば

今はここに来ると迎えがいること

家族のいない私だけど

そんな私の本当のお兄ちゃんみたいに優しい高校生の皆がいること

「おかえり、Aちゃん」

「おかえりA」

「元気にしてたか、A」

「ただいま、私とっても元気だよ

それで…後ろの人は誰？」

見覚えのない人に首を傾げていると

奏兄が紹介してくれた

「徳川カズヤ

今年、崖の上帰りなんだよ」

「三舟の小父ちゃんのところか

初めまして私は日枝金A」

「大先輩やで

Aは一応名前だけなら小学五年ぐらいからここに在籍してる」

「徳川カズヤです

よろしくお願いします日枝金さん」

「タメ口でいいよ、私より年上なんだから

あと、私はAがいいな

私は徳川さんのことカズ兄って呼ぶね」

決定事項です。と笑って告げると

少し苦笑しながらも首を縦に振ってくれた

「…わかった

それで今日は何か用事で来たのか？夏休みとはいえ部活もあるだろ」

「ボイコットしてきたの

皆に会いたかったし…黒部さんも呼んでるみたいだから…」

急に機嫌を悪くする私に

カズ兄は不思議そうにするが奏兄達は察しがついたのか苦笑した

…黒部さん、私に対してだけお話が長いの…本当、しんどい