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Quiet_10 ページ13

あれから数日

意外にも、何も起きることなく時間が過ぎていき

とある行事が近づいていた



「新人…戦?」

「あぁ、勿論参加だよな?

折角、正式に大会参加も受理されたんだから出ねぇ理由はないだろう」

「……わりました」



軽く挨拶をしそのまま校舎へと歩いていく

途中、複数の女子に行く手を阻まれた



『ちょっといいかな、火野水さん』

『少し、お話があるんだ』

「…」



この手のことには詳しいほうだと思っている

イジメというやつだろう

しかしまあ…こんなに露骨に分かりやすいと面白みの欠片はない

勿論その予想は的中した



『アンタ、ムカつくのよ!

ちょっとテニスができて、日吉君と仲がいいからってテニス部に入れてもらっちゃって!』

『調子なんて乗ってないで、さっさと止めなさいよ!』



主に文句を言ってくるのは三人

後ろには四、五人控えてる

集団イジメって怖いのだろう

まあ、普通の人はってことだけど…お兄ちゃん達がどんちゃん騒ぎして

バッタバッタ薙ぎ倒されたり、吹っ飛んでいくのを見ていればこの程度の小言は怖くもない

だから、ついつい…笑ってしまった



『笑ってないで何とか言いなさいよ!!気持ち悪いのよ!!』

「…!」



その瞬間のその女子生徒の行動には流石に驚いた

動くのと刺されるのが早いか

勿論、一目瞭然

瞬時に気づくことの出来ず、顔を守るためだけに挙げられた右腕は

肘から手首近くまでを鋭利なカッターの刃で切られた

思ったより深く入ったそこには大量の血が流れ、足元に血だまりを作っていた

何かがプツリと切れた


『自業自得よ!次は左手も同じ目に合わせてやるわ!』



再度振り下ろされるカッター

ハァと溜息をつくと私は血塗れの右手を上げ

振り下ろされるカッターを握って止めた

そしてその瞬間、今入る力の全てを使いその手を捩じるとぐにゃっと鈍い音がした



『あぁ!!いた…痛い!!』

『ヒッ!!』

「…痛い?そうよね……」



でも、きっとずっと…父さんと、母さんの方が痛かった

力の抜けた手から零れ落ちたカッターを左手に握り眼前に晒す

怯えた様に目を見開く彼女に告げる



「この際…この怪我なんてどうでもいい

…ただ、安易にこんなことするなら許さない…大嫌いなの」

『あ、あっ…ごめん、なさい』



その声に返すことなく私は校舎の方に歩き出した

出来るだけ、自分の手を見ないようにして

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めめこむまーりん(プロフ) - 修正が終わるの楽しみにしてますね。 (2018年10月10日 12時) (レス) id: 43047aa610 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零夜&李香 x他1人 | 作成日時:2012年6月26日 1時

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