キミは下僕。2 (ページ50)

今日:27 hit、昨日:6 hit、合計:1,700,759 hit

50 ページ50

「おはよう、テヒョン君」

学校に行くと下駄箱でちょうど彼と会った。

「おはよう。ジョングクは、ついさっき見かけたけど一緒じゃないの？」

「うん、生徒会が忙しいらしくて」

今日は生徒会の仕事が朝からあるといって、先に家を出たジョングク。

「へえ、…あれ、これって………」

テヒョン君が触れたのは、私のスマホにつけている水族館で買ったナマコのキーホルダー。

「これね！テヒョン君と水族館に行った時に買ったの、かわいいでしょ」

自慢するような私に、少し冷めた視線を送るテヒョン君

あれ、どうしたんだろ

「ジョングクも同じのつけてたよ」

「え！ほんと！」

その言葉に嬉しくなった、だってジョングクがあんなにきもいと言っていたナマコをつけてくれるなんて、きっとナマコの生態や形態に興味を持って、徐々に好きになってくれたに違いない

「そんなに嬉しい？」

「うん！嬉しい！だってあのジョングクがだよ？」

「へえ、………」

するとテヒョン君の顔が急に真顔になった。

「そうやって、Aは俺を一人にするの？」

「え」

あまりにもテヒョン君の声が暗くて…

「同じもの二人でつけて何の見せつけ？」

まさか、そんな言葉を言われるなんて思ってなかったから

「別に、見せつけとかじゃなくて、何も考えてなかった…」

そんなにテヒョン君が傷つくなんて思ってなかった

「ジョングクのことは考えたけど、俺のことは考えなかったんだ」

「そうじゃなくて……」

こんな時、どうしたらいい？

困って、何も言葉が出てこない、どうしよう…

「なーんてね、びっくりした？」

けど、次の瞬間にはテヒョン君はいつものように笑ってた

「Aにこの前フラれたから、意地悪でちょっと困らせたかっただけ」

ああ、そうか、そんなこともあったと
今思い出した

まず、彼女が何人かいる上での告白が果たして告白と言えるのか私には謎だけど…

「じゃあ、俺行くわ。またね」

「うん、またね」

けど、なぜだろうか

彼の笑顔はいつもと変わらないはずなのに

ものすごく違和感を感じてしまった