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「そう…」
と呟いて、シャワーを浴びようとすると
「言い返せよ」
と、またジョングクの声が聞こえた。
「今の言葉にむかついてんだろ?前みたいに俺に怒鳴れよ?」
え、私今喧嘩売られてる?
この人、私が怒りそうだと分かってて言葉を投げてたなんて、ほんとに性格悪いみたい
「怒鳴らないよ。何も言い返せない、だって私はあなたの下僕でしかないから」
そう言って、ジョングクを見ると何故か彼の瞳が揺れていた
あれ、なんで自分で言っといてズキンと胸に響くんだろうか
「怒りっていうより、悲しい」
なぜだかは分からないけれど
「けど、ジョングクには感謝してるんだよ。本当にありがとう」
「なに、突然お礼言ってんだよ」
「私、ジョングクの下僕になれて幸せだよ」
「ドエムきもい」とジョングクが呟く。
「だって、ジョングクがいなかったら私はヤクザに売られて、もっと酷いことされてたかもしれない。
知らない誰かの下僕より、ジョングクの下僕でよかった」
あれ、自分でもなに言ってんだろうと思う
今は、悲しみと、悔しさと、切なさと、嬉しさと、幸せと、いろんな感情がぐちゃぐちゃになってる
「でも、ごめん。ジョングクにとってはいい迷惑だよね。できるだけ早くここから出て行く、だからあと少しだけ待ってて」
「バカじゃないの、お前」とジョングクが呟いたような気がした。
だけど、私は逃げるように自分の部屋に飛び込んだ。
ベッドの上で、白いクッションをギュッと抱きしめる。
ジョングクが私のために用意してくれた真白な部屋
ジョングクが、私の作った料理を毎日文句を言いながらも食べてくれた
ジョングクが、いただきますと、ごちそうさまが言えるようになった(無理やり言わせてる)
ジョングクがラーメンを作って待ってくれていた
ジョングクが風邪を引いた時に、看病をした
ジョングクがありがとう、って初めて言ってくれた
最初はジョングクのことが大嫌いだった
そばにいて奴の弱味を見つけてやろうと思うのに、不器用でも彼なりの優しさを知っていくばかりで
なんだかんだ、私はここでの生活が楽しかったのかもしれない
けど、彼はそうとは感じていない、この矛盾が
こんなに私を悲しくさせるのかもしれないと思った。
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Aya(プロフ) - 名前ってなってるところありまふよ!! (2018年2月13日 2時) (レス) id: 388bd1fd99 (このIDを非表示/違反報告)
遥 - 続きが楽しみです!応援してます! (2017年12月19日 3時) (レス) id: de956f531d (このIDを非表示/違反報告)
き - 更新、楽しみにしてます! (2017年11月21日 23時) (レス) id: cb300416a8 (このIDを非表示/違反報告)
れも(プロフ) - とても面白いです!!更新待ってます…!(><) (2017年10月31日 0時) (レス) id: d494557466 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新待ってます(*´ω`*) (2017年9月12日 9時) (レス) id: f7c9d47763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yoha | 作成日時:2017年5月21日 6時