キミは下僕。2 (ページ40)

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下僕の主人ページ40

テヒョン君と帰り道

スンア先輩と会って立ち止まっていると

ピロン

【今どこいんの】

私のスマホにジョングクからメッセージが届いた

どこって言われても…

【道】

【道ってどこのだよ】

だって、説明しようがないし…なんかジョングク様怒ってらっしゃる？

【あと5分で帰ってこないと鍵閉めるから】

「えっ」

それを見て声をあげる私を振り返るテヒョン君とスンア先輩

早く帰らなきゃ

「テヒョン君、私はここでいいからスンア先輩と一緒に帰りなよ」

「なんで、A」

「ジョングクなんか怒ってるみたい。またね！今日はありがとう」

私は、急いで走り出した

50m走が10秒台の私が五分で帰りつくなんて絶対無理だからーーーーーーーーー

「はっはっ……………」

間に合ったーーーーーーー

意外とアパートのすぐそばだった

「どこ行ってたの」

廊下の壁に寄りかかる、制服姿のジョングク

「水族館！」

「水族館？」

「はい、これ」

私は、ジョングクにピンクの小さな包装をあげた

「なにこれ…気持ち悪いんだけど」

広げると、現れたのは黒くてトゲトゲしたリアルナマコのキーホルダー

「ジョングクにお土産！私とおそろいだよ」

どうしてもナマコのキーホルダーが欲しくて自分の分も買ったんだけど、いつもジョングクにもお世話になってるから買ってあげようと思った

「水族館て、誰と」

ナマコを見て、引きつりながらそう聞くジョングクに

「テヒョン君」

と返すと、広げた包装紙をクシャクシャに握りつぶして私を睨むジョングク

え、ジョングクのキレるポイントが全く分からんのですけど

「俺、昨日言ったよね？」

昨日……？

ごめん、昨日何があったのか私は何も覚えてないのですよ…とは般若みたいな顔したジョングクに言えるはずもなく

「テヒョンと一緒に遊ぶ暇あったら、お金貯めて早く出て行けば」

そう冷たく言い放って、部屋に入っていったジョングク

なに……

そんなことで怒ってたの

確かに、私には遊びに行ってるお金も、時間も、余裕もない…

けど、たまには息抜きしたっていいじゃん…

そっか、ジョングクは早く私に出て行ってほしいんだ…

私、自分の立場全然分かってなかったみたい