4 ページ4
「なんで、お前はそんなところから降りてくるんだ」
真顔でジョングクがそう聞いてくるから、焦っている私はその平然とした顔にちょっとイラっとくる。
「いや、ハリウッドを目指して、スパイダーマン役の練習を…」
と、その時
「いたぞ！娘だッッ！追えッッ」
バタバタと二階を降りてくる借金とり達の足音が聞こえた。
やばっ、見つかった
「来て」
「は」
私は、ジョングクの手を引っ張ってこの場を逃げた。
細い道を入って、全力疾走。
途中で、借金とり達の声や足音が聞こえなくなったから、ちゃんとまけたんだと思う。
うー、危なかった…
はっはっ…と息切れする私。
それを、正常呼吸で見下す、ジョングク。
「手」
手？
そう思って手を見ると、私はジョングクの手を掴んだままだった。
パッと離す
「ははは、ごめんごめん。ジョングク君の手は何センチなのかなーておおよそ検討立てたかったためだよ」
なんのためにだよ、と自分でつっこむ
「何のために」
ありがとう。全く同じこと突っ込んでくれて
「それは…ジョングク君に手編みの手袋作りたい女子がいると思って、親切心から…」
すると、ジョングク君は、フッと笑った。
え、笑った？
あの泣く子も黙るクールビューティジョングクが！
暗くてよく見えないけど
「今、春下旬だけど」
「…手編みは結構時間かかるんだから、今から編んどかないとダメなの」
ふーん、と言ったジョングクは私を細い目でみた。
「それで、あのヤクザみたいな男達って、特撮の役者かなんか？」
「………たぶん、違うと思う…」
目線を下げてそう言う。
「こんな大荷物で、家出でもした？」
私の背中には大きなボストンバックが２つ。
よく私これで走れたな、すごいわ
「………家出っていうか、夜逃げっていうのかなこれ」
そう言うと、彼はしばらく黙った。
「夜だし、家まで送る」
私に背を向けて歩き出すジョングク
「嫌、待って。家には帰れない」
「どうして？」
「差し押さえられたから」
あんなぼろアパート差し押さえたって、大した金にならないと思うけど
「…じゃあ、親に連絡して迎えに来てもらう」
「お父さんは星に帰って、お母さんは元々いない」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2074人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わかな(プロフ) - 今までで1番好きな性格の主人公！w (2018年7月24日 20時) (
レス) id: 7d05171848 (このIDを非表示/違反報告)
yoha - きむ:)さん» ありがとうございます^ ^2も見てくださると嬉しいです！ (2017年6月2日 1時) (レス) id: 2dc1d1b366 (このIDを非表示/違反報告)
きむ:)(プロフ) - いえ少しシリアステヒョンも素敵です(土下座)← ありがとうございます！！！笑 (2017年5月22日 6時) (レス) id: 34aeed0ab4 (このIDを非表示/違反報告)
yoha - ぱどぅさん» ありがとうございます！！頑張れます(＞人＜;) (2017年5月21日 5時) (レス) id: d243c9f893 (このIDを非表示/違反報告)
ぱどぅ(プロフ) - いきなりすみません！私、占ツク読み始めて5年くらい経ちますが、こんな面白くて、素敵な作品初めてです！ほんっとうに更新されるたびに奇声あげて喜んでます！！本当に素敵な作品ですね！頑張ってください(о´∀`о) (2017年5月20日 21時) (レス) id: 3be69bf169 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yoha | 作成日時：2017年5月6日 0時
