79話 ページ33
you side
「逢坂椿役AAです。舞台に出させてもらえるのは初めてなので、沢山吸収して皆さんに負けないような演技ができるよう、頑張ります。よろしくお願いします!」
拍手が返ってきて少しホッとする。
今回は大阪で公演される舞台への出演が決まって、本当に嬉しい。
ただ、1人での舞台。
全くジャニーズの人達がいない中の演技のお仕事っていうのは初めてで、凄く緊張する。
でも、こういう機会を使って成長しなきゃ。
今回の舞台はミステリーで、時代は明治。
ある町で起こる事件が舞台。
この町で、1番大きなお屋敷にて使用人の女が殺されるという事件が起き、それを境に不可思議な連続殺人が起こるというもの。
逢坂椿という子はその逢坂家の一人娘。とても素直で清楚な心の優しい女の子。
この事件の真実を探す主人公にも懐き、息苦しいような物語に、ほっと息をつけるような時間を与える役でもある。
初めての1人での舞台でここまで大きな役をいただけたこともすごく嬉しい。
「気合い入れないと…!」
絶対いい舞台にする!!
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長尾 side
道枝「今日もA君いない…」
高橋「舞台の稽古忙しいみたいやで?」
長尾「もうすぐよな?」
A君は舞台稽古が忙しいらしく、レッスンも被らなくて、最近全然会えてない。
連絡したらちゃんと返してくれるけど。
道枝「電話かけたい…」
高橋「昨日もかけた言ってなかった?」
道枝「うん。」
高橋「えぇ…」
道枝「流石にかけないよ!?休んで欲しいし。舞台始まったら見にきていいって言ってくれてるし」
高橋「そうやな笑3人で行く?」
長尾「ええよ」
道枝「Aちゃんに連絡したら喜ぶやろなぁ〜!」
なんて嬉しそうにするみっちー
まぁたしかにあのほわほわした笑顔で喜んでくれるのが想像できる。
長尾「早く会いたいなぁ…」
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長尾「ふぅ…」
今日は一人で居残り練習。
レッスンで注意されたところを入念に確認する。
ダンスはジャニーズに入ってから始めたし、他の人との実力さを感じる時も多い。
長尾「…」
今日は気持ちも沈んでしまっている気がする。
ため息をつきながらもう一度鏡を見ようとするとドアが開く音がする。
「長尾?」
長尾「Aちゃん!?」
ポニーテールをしたレッスン着のAちゃん。
今回は女の子役だって言ってたから髪長いのか…
普段とは違うAちゃんの姿に少し緊張する
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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年5月22日 13時